動画編集用と写真編集用、PCスペックの違いを徹底解説
PRが含まれています
最終更新日:2025年9月25日
同じクリエイティブ用途でも、写真編集と動画編集では必要なパソコン性能が大きく異なります。
例えば、Photoshopなどで写真編集だけをしている人が「Premiere Proを使用したら急に動作が重くなった」というケースは珍しくありません。それは、ソフトの処理内容が根本的に違うからです。
この記事では、両者のPCスペックの違いをわかりやすく解説し、最適なパソコン選びのヒントを紹介します。
目次
写真編集PCと動画編集PCの違いをまとめ
項目 | 写真編集用 | 動画編集用 |
---|---|---|
CPU | 中性能で十分(Core Ultra 5〜7、Ryzen 5~7) | 高性能必須(Core Ultra 7〜9、Ryzen 7~9) |
メモリ | 16〜32GB | 32〜64GB |
GPU | あまり重要でない | 非常に重要(RTX 5060以上推奨) |
ストレージ | SSD | NVMe SSD、大容量ストレージ必須 |
価格帯 | 10〜15万円程度 | 20〜30万円以上が目安 |
写真編集用PCは、高解像度画像の処理やRAW現像がメインのため、CPU性能と充分なメモリ(16GB~32GB)、そして色再現性の高いモニター環境が重視されます。
動画編集用PCは、長時間のレンダリングや高解像度映像を扱うため、CPUのコア数・クロック数、グラフィックボード(GPU)、メモリ容量(16GB以上推奨)が重要になります。
CPUは写真編集用PCではCore Ultra 5~7、Ryzen 5~7あたりの性能で十分ですが、動画編集用になるとCore Ultra 7~9、Ryzen 7~9のような性能の高いCPUが必要となります。
またGPUは動画編集では必須に近い存在ですが、写真編集では補助的役割であり、CPUやメモリの方が効果的です。
写真編集用PCに必要なスペック

CPU(プロセッサー)
写真編集は「静止画の処理」が中心なので、CPUのシングルコア性能が効きやすいです。
- 推奨:Core Ultra 5 / Ryzen 5 以上
- プロ用途やRAW現像が多い場合はCore Ultra 7 / Ryzen 7クラスが快適
写真編集ではRAW現像や複数レイヤー処理にCPU性能が大きく影響します。
具体的にはCore Ultra 5 / Ryzen 5クラス以上で十分ですが、快適さを求めるならCore Ultra 7 / Ryzen 7がおすすめです。
シングルコア性能が高いCPUが、画像処理のレスポンスを速くします。またクロック数(GHz)が高いほど、補正やフィルター処理がスムーズになります。
動画編集ほどコア数は必要ないため、6~8コア程度でバランス良く使えます。
メモリ(RAM)
写真編集では「複数枚の画像を同時に開く」「RAW現像する」際にメモリ容量を多く使用します。
- 推奨:16GB以上
- 本格的にRAW現像を行うなら32GBあると安心
写真編集ソフト(PhotoshopやLightroom)は多くのメモリを使用します。
最低でも16GBを推奨、プロ用途なら32GBあると安心です。
RAWデータや複数画像を同時に開くと、一気に使用量が増加します。メモリ容量に余裕があると、ソフトの動作が安定し、フリーズを防げます。
コストと効果のバランスを考えると16GBから初めて、そこから必要であれば増設するのが理想的です。
GPU(グラフィックボード)
PhotoshopやLightroomはGPUを使いますが、あくまでプレビューや一部機能の高速化程度。
- 内蔵GPUでもある程度動く
- 外部GPUを使うなら入門クラス(GTX 1650 / RTX 3050程度)でも十分
写真編集ではGPUは補助的役割で、CPUやメモリほどは使用しません。ただしPhotoshopの一部機能やAI系の処理ではGPUを使用するので多用する場合は搭載させたほうがいいです。
エントリークラスのGPU(例:GeForce GTX 1650、RTX 3050、RTX 5050以上)があれば快適です。
内蔵GPUでも動作可能ですが、快適性や将来性を考えると専用GPUが望ましいです。
動画編集ほどの性能は不要で、軽量クラスのGPUで十分です。
ストレージ
- SSDは必須(OS・アプリ用)
- 写真保存用に大容量HDDを追加するのが一般的
RAW画像は容量が大きいため、ストレージの速度と容量が重要です。
システム用にNVMe SSD(500GB~1TB)、保存用に大容量SSDやHDDを組み合わせるのが理想です。
SSDがあるとソフト起動やファイル読み込みが格段に速くなります。
バックアップ用に外付けSSD・HDDを導入するとデータ保護の安心感があります。
効率を求めるなら「OS&ソフト用のSSDと、データ保存用に大容量SSD」の二段構えがおすすめです。
動画編集用PCに必要なスペック

CPU(プロセッサー)
動画編集は「エンコード」「書き出し」でCPUに強い負荷がかかります。
- 推奨:Core Ultra 7 / Ryzen 7 以上
- 4K編集や長尺動画ならCore Ultra 9 / Ryzen 9 が理想
動画編集はレンダリングやエンコード処理でCPU性能が大きく影響します。
最低でもCore Ultra 7 / Ryzen 7クラス以上を推奨、4K編集ならCore Ultra 9 / Ryzen 9が理想です。
マルチコア性能が重要で、8コア以上あると快適に処理できます。クロック数も高い方がプレビューやエフェクト処理がスムーズです。
ミドルスペックPCでも編集は可能ですが、本格的に作業するなら高性能CPUが必須です。
メモリ(RAM)
動画編集はデータサイズが桁違いに大きいため、メモリ不足がボトルネックになりやすいです。
- 推奨:32GB以上
- 4Kや複雑なエフェクトを使うなら64GBが望ましい
動画編集はデータサイズが大きいため、メモリの影響が非常に大きいです。
フルHD編集なら16GBでも可能ですが、快適に作業するなら32GB以上が望ましいです。
4K編集では最低32GB、本格的に使用するなら64GB以上を用意すると安定します。
容量が少ないとソフトが落ちたり、レンダリング時間が極端に長くなります。
メモリは後から増設できるので、最初は32GBを目安に選ぶと安心です。
GPU(グラフィックボード)
Premiere ProやAfter EffectsはGPUアクセラレーション対応。
- 推奨:NVIDIA RTX 5060以上
- 4K・8K編集やVFX用途ならRTX 5060 Ti / 4070クラスがおすすめ
GPUは動画編集でのプレビュー表示やエフェクト処理を高速化します。
Adobe Premiere ProやDaVinci ResolveなどはGPU支援で処理速度が大幅に向上します。
GeForce RTX 5060以上を推奨、4K編集ならRTX 5070クラスが安心です。
VRや高度なカラーグレーディングではさらに高性能なGPUが役立ちます。
ただしGPUだけ高性能でもCPUやメモリが弱いとバランスが崩れ、性能が発揮できない点に注意が必要です。
ストレージ
- NVMe SSD推奨(作業用ディスクとして高速アクセスが必要)
- 最低1TB以上、さらにデータ保存用にHDDや追加SSDが必要
動画ファイルは非常に容量が大きいため、ストレージ環境が作業効率を左右します。
システム用にNVMe SSD(1TB前後)、作業用に追加のSSD、保存用に大容量HDDを組み合わせるのが理想です。
SSDを使うと動画の読み込みや書き出しが高速になり、編集が快適です。
プロジェクト用SSDとアーカイブ用HDDを分けることで整理しやすくなります。
外付けSSDを利用してバックアップ環境を整えるのも重要です。
どちらのPCを選ぶべきか?
- 写真編集メイン → コストを抑えた中性能PCで十分。
- 動画編集メイン → ハイエンドGPU搭載PCが必須。
- 写真も動画もやりたい人 → 動画編集用PCを基準にすると快適。
動画編集用と写真編集用のPCは、用途によって必要なスペックが大きく異なります。
高解像度の動画編集を行うなら、CPU・メモリ・GPUを強化した動画編集用PCが必須です。
一方、RAW現像や写真補正がメインなら、CPU性能とメモリ容量を重視した写真編集用PCで十分です。
無駄なスペック投資を避けるため、自分がどの作業に時間を使うかを基準に選ぶことが大切です。
まとめると「動画中心ならハイスペック、写真中心ならコスパ重視」が最適な選び方です。
まとめ
- 写真編集は「CPUとメモリ」が大切、動画編集は「CPU・メモリ・GPUすべて」が重要。
- 写真編集用は軽量で10万円前後のPCでも十分、動画編集用は高性能PCが必須。
- 両方やりたい場合は動画編集用PCを選んでおけば間違いなし。
パソコンは一度買うと数年は使うものです。
自分の用途に合ったスペックを見極めることで、快適なクリエイティブ環境が手に入ります。
関連ページ
こちらのページも参考にしてください
- Photoshopに最適なパソコンを買う方法!目的に合わせたスペックと選び方!
- Adobe Premiereに最適なパソコンを買う方法!重くならないパソコンが欲しい方へ
- 写真編集・RAW現像ができるパソコンの選び方!LightroomやPhotoshopをスムーズに使いたい方へ
- Adobe Creative Cloudが使えるパソコンを選ぶ方法!快適に制作できるPCの買い方
- ノートPCでは無理?動画編集ができるノートPCを買う方法