Adobe Creative Cloud向けPCの選び方|ソフト別の必要スペックとおすすめBTO

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最終更新日:2026年8月10日

Adobe Creative Cloud(Adobe CC)には、Photoshop、Illustrator、Lightroom Classic、Premiere(Premiere Pro)、After Effectsなど、負荷の異なるアプリが含まれています。そのため「Adobeが動くパソコン」という条件だけでは、自分に必要な性能を判断できません。

PhotoshopとIllustratorを中心に使う人へ、After Effects向けの高価なGPUを勧めても予算の使い方として非効率です。反対に、PremiereとAfter Effectsを連携させる人が、各アプリの最低必要システム構成だけを満たしたPCを選ぶと、プレビューやアプリの切り替えで待たされやすくなります。

Adobe Creative Cloud向けPCは、使用する中で最も負荷の高いアプリと、同時に開くアプリの数を基準に選ぶのが結論です。

先に目安をまとめると、画像編集・デザイン中心ならメモリ32GB、Premiereでの動画編集まで行うならRTX 5060とメモリ32GB、4K動画やAfter Effectsまで本格的に使うならRTX 5060 Ti 16GB以上とメモリ64GBを検討するのがおすすめです。

主な用途CPUの目安GPUの目安メモリSSD
Illustrator・InDesign・一般的なPhotoshopCore Ultra 5/Ryzen 5以上新しい内蔵GPU~RTX 505016GB~32GB1TB
Photoshop+Lightroom Classic・高画素RAWCore Ultra 7/Ryzen 7RTX 5050~RTX 506032GB1TB~2TB
Premiere・フルHD動画編集Core Ultra 7/Ryzen 7RTX 5060 8GB以上32GB1TB~2TB
Premiere・4K動画編集Core Ultra 7~9/Ryzen 7~9RTX 5060 Ti 16GB~RTX 507032GB~64GB2TB以上
After Effects・Dynamic Link・VFXCore Ultra 7 270K Plus~Core Ultra 9/Ryzen 9RTX 5060 Ti 16GB~RTX 5070以上64GB、重い制作は128GBも検討2TB+キャッシュ用SSDを検討

この表は「起動できる最低ライン」ではなく、これから数年間使うPCの購入目安です。素材の解像度、レイヤー数、エフェクト、AI機能、同時起動するアプリによって必要性能は変わります。

Adobe Creative Cloud向けPCは「最も重いアプリ」に合わせる

Creative Cloudは1本のソフトではなく、用途の異なるアプリをまとめたサービスです。Illustratorのロゴ制作と、Premiereの4K動画編集では、パソコンへかかる負荷が大きく異なります。

契約しているプラン名ではなく、実際に使うアプリの中で最も負荷が高い作業を基準にしてください。

例えば、Photoshop、Illustrator、Premiereを使うなら、Premiereを基準にCPU・GPU・メモリを決めます。Premiereに対応できるPCなら、一般的なPhotoshopやIllustratorの作業にも対応しやすいためです。

ただし、Premiere単体で使う場合と、Premiere、After Effects、Media Encoder、ブラウザーを同時に開く場合では、必要なメモリ容量が変わります。複数アプリを連携させる人は、最も重いアプリの推奨構成へ、さらにメモリの余裕を加える考え方が必要です。

Adobeアプリの重さを3段階に分けて考える

すべてのAdobeアプリへ同じCPU・GPUを用意する必要はありません。

負荷の傾向主なアプリ優先したい部分
比較的軽いIllustrator、InDesign、Acrobatメモリ、SSD、モニター、CPUの快適性
中程度Photoshop、Lightroom ClassicCPU、メモリ、AI処理用GPU、SSD
重いPremiere、After Effects、Media EncoderCPU、GPU・VRAM、メモリ、SSD、冷却

IllustratorやInDesignが中心なら、GPUだけを高性能にしても費用に見合う差を得にくい場合があります。一方、PremiereのGPUエフェクト、Lightroom ClassicのAIノイズ除去、After EffectsのAdvanced 3Dなどを使うなら、GPUとVRAMの余裕が作業時間に影響します。

「単体利用」より「同時利用」のほうがメモリを使う

Creative Cloud向けPCで見落とされやすいのは、アプリ単体の必要量ではなく、複数アプリを開いた合計のメモリ使用量です。

Photoshopで素材を修正しながらIllustratorへ配置したり、PremiereからAfter EffectsへDynamic Linkで送ったりすると、複数のアプリが同時にメモリを使用します。さらに、素材サイトを開くブラウザー、クラウド同期、チャット、フォント管理などもバックグラウンドで動きます。

1つの軽いアプリだけなら16GBで対応できても、Creative Cloudを横断して制作するなら32GBを基本にしたほうが余裕があります。PremiereとAfter Effectsを連携させるなら64GBを優先するのがおすすめです。

Adobe公式の必要システム構成と、PC購入時の推奨スペックは違う

Adobe公式ページには、アプリごとに最小・推奨の必要システム構成が掲載されています。ただし、その数値は「数年間快適に使えるPCを買うための構成表」と同じではありません。

最低必要システム構成はアプリを動作させるための下限であり、重い素材を快適に編集することや、複数アプリの同時使用を保証する数値ではありません。

アプリAdobe公式の主な推奨目安本記事の購入目安
Photoshopメモリ16GB以上。4K以上の画面ではGPUメモリ4GBメモリ32GB。一般編集は内蔵GPU~RTX 5050、生成・高解像度処理はRTX 5060も検討
Illustratorメモリ16GB以上、GPUメモリ4GB推奨メモリ16GB~32GB。通常の2D制作なら高価なGPUは不要
Lightroom Classicメモリ16GB以上。AI機能などは専用GPUメモリ8GBを推奨メモリ32GB、RTX 5050~RTX 5060、SSD 1TB~2TB
PremiereHDはメモリ16GB、4K以上は32GB以上。GPUメモリ8GBを推奨フルHDは32GB+RTX 5060、4Kは32GB~64GB+RTX 5060 Ti 16GB以上
After EffectsHDはメモリ16GB、4K以上は32GB以上。GPUメモリ8GBを推奨メモリ64GBを基本に、RTX 5060 Ti 16GB以上。重い合成は128GBも検討

公式要件は更新されるため、購入前にはAdobe公式のCreative Cloudアプリの技術要件も確認してください。本記事では、公式要件に加えて、同時利用と将来の余裕を考慮した購入目安を示しています。

必要スペックを満たしていても重くなる理由

同じPCでも、素材の形式・解像度・エフェクト・レイヤー数によって処理負荷は大きく変わります。

Premiereで同じ4K動画を扱う場合でも、編集しやすい中間コーデックと、圧縮率の高いH.264・HEVCではCPUやデコードへの負荷が異なります。After Effectsも、短い2Dモーショングラフィックスと、3Dモデルや多数のエフェクトを使うコンポジションでは必要性能が同じではありません。

公式要件を満たしているのに重い場合、PCが故障しているとは限りません。プロキシの使用、キャッシュの保存先、GPUアクセラレーション、素材形式、ドライバーなど、制作環境の設定も確認する必要があります。

用途別に必要なAdobe Creative Cloud向けPCスペック

ここからはアプリ名だけでなく、実際の制作内容を基準に構成を決めます。

「何のアプリを使うか」に加えて、「何を、どの解像度で、何本・何枚処理するか」まで決めると、過不足の少ないPCを選べます。

Photoshop・Illustrator・InDesign中心

2DデザインやDTPが中心なら、最上位GPUよりもメモリ32GB、1TB SSD、色を確認しやすいモニターを優先してください。

  • CPU:Core Ultra 5/Ryzen 5以上。重いPhotoshop作業はCore Ultra 7/Ryzen 7
  • GPU:新しい内蔵GPU~GeForce RTX 5050
  • メモリ:16GBでも使用可能。新規購入は32GBがおすすめ
  • SSD:1TB NVMe SSD

ロゴ、バナー、Webデザイン、一般的な写真加工、ページレイアウトであれば、RTX 5070のような高価なGPUは優先度が高くありません。予算はメモリ、SSD、モニター、静音性へ回したほうが、制作環境全体を改善しやすくなります。

Photoshopだけを詳しく選びたい場合は「PhotoshopにおすすめのPCと必要スペック」も参考にしてください。

Photoshop+Lightroom Classic・RAW現像中心

高画素RAWの大量現像やAIノイズ除去を行うなら、CPUと32GBメモリに加えて、8GB以上のVRAMを持つGPUを選ぶ価値があります。

  • CPU:Core Ultra 7/Ryzen 7
  • GPU:GeForce RTX 5050~RTX 5060
  • メモリ:32GB
  • SSD:1TB~2TB NVMe SSD

写真編集では、1枚を開けるかどうかより、数百枚の読み込み、プレビュー生成、AI処理、一括書き出しの待ち時間が重要です。Lightroom Classicのカタログと作業中の写真はSSDへ置き、長期保管は別ドライブや外付けストレージへ分けると管理しやすくなります。

写真編集向けのモニターやストレージも含めた選び方は「写真編集・RAW現像向けPCの選び方」で詳しく解説しています。

PremiereでフルHD動画を編集

フルHD編集でも、Creative Cloudを複数起動するなら、RTX 5060 8GBとメモリ32GBを標準的な購入ラインにするのがおすすめです。

  • CPU:Core Ultra 7/Ryzen 7
  • GPU:GeForce RTX 5060 8GB以上
  • メモリ:32GB
  • SSD:1TB~2TB NVMe SSD

カット編集中心なら、この構成で多くの作業に対応できます。複数カメラ、重いカラー補正、多数のGPUエフェクト、長時間動画を扱う場合は、RTX 5060 Ti 16GBやメモリ64GBも検討してください。

Premiereだけの構成を細かく決めたい方は「Premiere向けPCの必要スペックとおすすめ」も確認してください。

Premiereで4K動画を編集

4K編集ではGPUの型番だけでなく、VRAM、メモリ容量、素材用SSDの3点をまとめて強化する必要があります。

  • CPU:Core Ultra 7~9/Ryzen 7~9
  • GPU:GeForce RTX 5060 Ti 16GB~RTX 5070
  • メモリ:32GB~64GB
  • SSD:2TB以上。素材やキャッシュ用の2台目SSDも検討

4K動画をたまに編集する人と、毎日長時間編集・書き出しを行う人では、投資すべき部分が異なります。たまに使うならプロキシで負荷を下げられますが、納期のある仕事では、待ち時間を減らすためにCPU、GPU、メモリ、SSDへ余裕を持たせる価値があります。

After Effects・Dynamic Link・VFX中心

After Effects向けPCでは、GPUだけを最上位にするより、まず64GB以上のメモリと高速なCPU、十分なキャッシュ用SSDをそろえることが重要です。

  • CPU:Core Ultra 7 270K Plus~Core Ultra 9/Ryzen 9クラスを検討
  • GPU:GeForce RTX 5060 Ti 16GB~RTX 5070以上
  • メモリ:64GB。4K・長尺・重い合成では128GBも検討
  • SSD:2TB+キャッシュ用SSDを検討

After Effectsはプレビュー用に多くのメモリを使います。PremiereとDynamic Linkで連携する場合は、両方のアプリが同時に動くため、32GBでは余裕が小さくなります。Advanced 3DやGPU対応エフェクトを多用するならGPUも強化しますが、2Dモーショングラフィックス中心なら、GPUよりメモリとCPUを優先したほうが効果的な場合があります。

After Effectsに絞った構成は「After Effects向けPCのおすすめスペック」で詳しく解説しています。

Adobe Creative Cloud向けPCのパーツ選び

CPU、GPU、メモリ、SSDは役割が違います。どれか1つだけを高性能にしても、別のパーツが不足すると快適になりません。

Adobe向けPCは、最も時間を取られている処理に合わせて、予算を使うパーツを変えるのが合理的です。

CPU:グレード名だけでなく、実際の型番を見る

「Core Ultra 7だから速い」「Ryzen 9なら必ず最適」とは限らないため、CPUは世代・型番・デスクトップ用かノート用かまで確認してください。

Photoshopのフィルター、Lightroom Classicの書き出し、Premiereのデコード・エンコード、After Effectsのレンダリングなど、多くの処理でCPUが使われます。ただし、アプリや処理によって、1コアあたりの速さが重要な場合と、多数のコアを使える場合があります。

PremiereでH.264・HEVC素材を多く扱うなら、Intel Quick Syncを利用できるIntel CPUも候補です。一方、Ryzen 7 9700XのようなCPUも、画像編集から動画編集まで幅広く対応できます。ブランドだけで決めず、PC全体の価格とGPU・メモリ・SSDを含めて比較してください。

IntelとAMDの違いは「Core UltraとRyzenの比較」でも解説しています。

GPU:型番より先に「GPUが必要な作業か」を判断する

IllustratorやInDesign中心なら内蔵GPUでも対応できますが、Premiere、After Effects、Lightroom ClassicのAI機能を使うなら外部GPUを優先します。

Adobeアプリでは、画面表示だけでなく、エフェクト、AI処理、エンコード、3D表示などにGPUが使われます。ただし、GPUの効果はすべての処理で同じではありません。

GPU向いているAdobe用途注意点
新しい内蔵GPUIllustrator、InDesign、軽いPhotoshop動画編集・AI処理・3Dには余裕が少ない
RTX 5050 8GBPhotoshop、Lightroom Classic、軽いフルHD編集4K動画や重いAfter Effectsでは上位を検討
RTX 5060 8GBフルHD動画、軽~中程度の4K編集VRAMを多く使う作業では8GBが先に制約になる場合がある
RTX 5060 Ti 16GB4K動画、AI処理、After Effects、複数用途価格とVRAMのバランスがよいが、純粋なGPU速度は上位に及ばない
RTX 5070以上GPUエフェクト、重いVFX、3Dを含む制作画像・DTP中心では費用を持て余しやすい

RTX 5060 Tiには8GB版と16GB版があります。Creative Cloudを複数用途で使い、4K動画、AI処理、3Dを見据えるなら16GB版を選ぶほうが余裕を持たせやすくなります。

メモリ:Creative Cloud全体なら32GBを基準にする

軽いアプリ単体は16GBでも使えますが、Creative Cloud向けPCを今から買うなら32GBを基本にするのがおすすめです。

メモリが不足すると、開いているデータの一部をSSDへ退避するため、アプリの切り替えやプレビューが遅くなりやすくなります。メモリを増やしてもCPUやGPU自体が速くなるわけではありませんが、容量不足による急激な遅さや不安定さを避けられます。

  • 16GB:Illustrator、InDesign、軽いPhotoshopを単体で使う
  • 32GB:Creative Cloudの標準。画像編集、RAW現像、フルHD~軽い4K編集
  • 64GB:After Effects、4K動画、Dynamic Link、複数アプリの常時併用
  • 128GB:重いAfter Effects、長尺・高解像度、業務で待ち時間を減らしたい

BTOの標準構成が16GBなら、用途を問わず変更するのではなく、Creative Cloudを何本同時に開くかで32GBまたは64GBを選びます。

SSD:容量と「作業用・保管用」の役割を分ける

Adobe向けPCでは1TBを最低目安とし、動画編集は2TB以上、After Effectsはキャッシュ用の2台目SSDも検討してください。

アプリのインストール容量だけなら大きくありませんが、写真、動画素材、プレビュー、キャッシュ、書き出しデータが増えると、500GBでは余裕がなくなります。PremiereとAfter Effectsは、アプリ・キャッシュ用に高速な内蔵SSD、メディア用に追加の高速ドライブをAdobeも推奨しています。

構成使い方向いている人
1TB×1台OS、アプリ、作業データをまとめる画像・DTP中心、外付けへ保管する人
2TB×1台管理を簡単にしつつ容量を確保増設スロットを残したい人、一般的な動画編集
1TB+1TBOS・アプリと、素材・キャッシュを分ける動画編集やAfter Effectsで同時アクセスを分散したい人
2TB+2TB以上作業データとキャッシュ・素材を大容量で分ける4K動画、長尺、業務制作

SSDを2台に分けてもバックアップにはなりません。元データとコピーが同じPCの中だけにあると、故障、誤削除、盗難などへ十分に備えられないため、外付けストレージやNAS、クラウドにも複製してください。

容量の決め方は「SSDは500GB・1TB・2TBのどれがよいか」、台数の選び方は「2TB×1台と1TB×2台の比較」で詳しく解説しています。

モニター:PC性能だけでは色は正しくならない

画像・映像制作では、高性能なPCだけでなく、用途に合う色域と調整機能を持つモニターが必要です。

Web・一般的な写真・動画ならsRGB 100%またはRec.709を基準にし、印刷用途でAdobe RGBデータを扱うなら、Adobe RGBを広くカバーするモニターを検討します。4Kモニターは作業領域を広くできますが、表示解像度が上がるとGPU負荷も増えます。

色の正確さは、WindowsかMacかだけで決まるものではありません。モニターの色域、キャリブレーション、部屋の照明、アプリのカラーマネジメントまで含めて整える必要があります。

冷却・端子・ネットワーク:長時間制作で差が出る

書き出しやレンダリングを長時間行う人は、瞬間的なベンチマークだけでなく、冷却、騒音、端子、増設性も確認してください。

高性能CPUを小型ケースへ搭載しても、冷却が不足すると高負荷時に性能を維持しにくくなります。動画編集では外付けSSD、カードリーダー、オーディオ機器、キャプチャー機器を使うことがあるため、USB Type-C、USB4・Thunderbolt、USB端子数も確認します。

NAS上の4K素材を直接扱う場合は2.5GbE以上、複数人で大容量素材を共有する場合は10GbEも候補です。ただし、PC側だけを10GbEにしても、NAS、スイッチ、ケーブル、ストレージが遅ければ速度は上がりません。

WindowsとMac、デスクトップとノートPCはどちらがよい?

Adobe Creative CloudはWindowsとMacの両方で使用できます。OSだけで作品の品質が決まるわけではないため、周辺機器、共同作業環境、必要なアプリ・プラグイン、予算で選びます。

カスタマイズ性、増設性、同価格での性能を重視するならWindowsのBTOデスクトップが選びやすく、持ち運びが必要ならノートPCを選びます。

Adobe用途でWindows BTOを選ぶメリット

Windows BTOは、メモリ64GB、SSD複数台、用途に合うGeForceを購入時に選びやすい点が強みです。

  • CPU・GPU・メモリ・SSDの組み合わせが多い
  • 購入後にメモリやSSDを増設しやすい
  • 同じ予算でデスクトップの処理性能を上げやすい
  • 周辺機器やプラグインの選択肢が多い

一方で、BTOはモデル数とカスタマイズ項目が多いため、標準構成が自分の用途に合っているか確認する必要があります。「クリエイターPC」という名称だけで選ばず、最終構成を見て判断してください。

デスクトップは性能維持と増設性、ノートPCは移動性が強み

自宅や事務所で長時間制作するならデスクトップ、撮影現場・学校・出先で編集するならノートPCが向いています。

比較項目デスクトップノートPC
長時間の高負荷冷却に余裕を持たせやすい本体サイズと電力設定の影響を受けやすい
同価格の性能高くしやすい画面・バッテリー込みで割高になりやすい
増設メモリ、SSD、GPUを変更しやすいメモリ固定やSSD 1基のみの製品がある
持ち運び不向き向いている
停電・電源なしUPSがなければ作業できないバッテリーで継続できる

ノートPCだからAdobe制作ができないわけではありません。持ち運びに価値があるなら、性能差を理解したうえでノートPCを選ぶのが合理的です。詳しくは「Adobe用PCはノートとデスクトップのどちらがよいか」も参考にしてください。

Windows on ARMは対応が進んだが、制作環境全体を確認する

2026年時点でPremiereやAfter EffectsなどのWindows ARM対応は進んでいますが、全機能・プラグイン・周辺機器が同じ条件とは限りません。

AdobeはPremiere、After Effects、Audition、Media EncoderなどのWindows ARMネイティブ対応を進めています。一方、Premiereでは一部形式の読み書きなど、Intel・AMD版と異なる機能があります。古いプラグイン、プリンタードライバー、オーディオ機器、キャプチャー機器も個別確認が必要です。

Creative Cloudを広く使い、既存のプラグインや周辺機器を引き継ぐ仕事用PCなら、現時点では一般的なIntel・AMD搭載Windows PCのほうが確認事項を減らしやすくなります。ARM PCを選ぶ場合は、使用アプリだけでなく制作環境全体の対応表を作ってから購入してください。

Adobe Creative Cloud向けPCでよくある失敗

高価なPCを買っても、用途と構成が合わなければ満足度は上がりません。

最も多い失敗は性能不足そのものではなく、必要のないパーツへ予算を使い、必要なメモリ・SSD・モニターが不足することです。

公式の最低必要システム構成だけで買う

最低要件を満たすPCと、仕事で待ち時間を減らせるPCは別物です。

すでに持っているPCで動作確認をするなら最低要件も役立ちますが、新品を数年間使うなら、公式推奨と実際の制作内容を基準にしてください。特にメモリ16GBとSSD 500GBは、Creative Cloudの複数利用では早く余裕がなくなる可能性があります。

「Core i7」「Ryzen 7」などの名称だけで決める

同じグレード名でも、世代、型番、デスクトップ用・ノート用によって性能は異なります。

古いCore i7より新しいCore Ultra 5のほうが適する場合もあります。商品ページではCPUの正式な型番を確認し、同じ価格帯のPCと比較してください。

画像編集だけなのに高性能GPUへ予算を集中する

Photoshop・Illustrator中心なら、GPUをRTX 5070へ上げる前に、メモリ32GB、SSD 1TB、モニターを整えるほうが優先です。

GPUを上げる価値があるのは、AI処理、動画編集、3D、GPU対応エフェクトを使う場合です。使わない性能へ予算をかけず、作業全体で不足する部分を優先してください。

PremiereやAfter Effects用なのにメモリ16GBのまま買う

CPUとGPUが高性能でも、メモリ16GBでは複数アプリの同時使用が先に制約になりやすくなります。

BTOの標準構成には、CPUとGPUが十分でもメモリだけ16GBのモデルがあります。Premiereなら32GB、After EffectsやDynamic Linkなら64GBを基準にカスタマイズしてください。

SSDを2台にすればバックアップになると思う

PC内のSSDを2台に分けることは作業分散にはなりますが、バックアップの代わりにはなりません。

作業用SSD、外付け・NAS、クラウドなどへ複製し、少なくとも元データとバックアップを別の場所へ保存してください。クライアントワークでは、PC性能と同じくらいデータ保護が重要です。

カスタマイズ後の価格を比較しない

標準価格が安くても、メモリ32GB・SSD 2TBへ変更すると別モデルより高くなることがあります。

モデル比較では、必要構成へ変更した後の価格、送料、保証、納期までそろえてください。標準構成の判断方法は「BTOパソコンの標準構成はそのまま買ってよいか」でも解説しています。

Adobe Creative CloudにおすすめのBTOパソコン

flat screen computer monitor

ここでは、用途の異なる5台を選びました。単純に高性能な順ではなく、画像編集向け、標準的なCreative Cloud向け、VRAM重視、After Effects・業務制作向けに役割を分けています。

おすすめPCは「どれが一番高性能か」ではなく、自分のAdobe用途に必要な構成を、無駄なく満たしているかで選んでください。

価格・仕様は2026年8月10日に確認した内容です。BTOパソコンは価格、在庫、標準構成が変わるため、購入時に商品ページで再確認してください。

モデルCPUGPUメモリSSD向いている用途
クリエイターPC [WA7A-C261/B]Ryzen 7 9700XRTX 5050 8GB32GB1TBPhotoshop、Illustrator、Lightroom Classic
ZEFT R60XVRyzen 7 9700XRTX 5060 8GB32GB1TBCreative Cloud全般、フルHD~軽い4K動画
SENSE∞ [SENSE-F189-LC270K-RKX]Core Ultra 7 270K PlusRTX 5060 8GB16GB(32GB以上へ変更推奨)1TBPremiere、H.264・HEVC、Thunderbolt機器
DAIV KM-A7G6TRyzen 7 9700XRTX 5060 Ti 16GB32GB1TB4K動画、AI処理、複数Adobeアプリ
Lepton Motion Pro II B860iCore Ultra 7 270K PlusRTX 5060 Ti 16GB32GB2TBPremiere、After Effects、長時間の業務制作

画像編集・デザイン中心:TSUKUMO クリエイターPC WA7A-C261/B

Photoshop、Illustrator、InDesignを中心に使い、動画編集は軽めという人に向く構成です。

CPURyzen 7 9700X
GPUGeForce RTX 5050 8GB
メモリ32GB DDR5
SSD1TB NVMe Gen4
確認時価格309,800円(税込)

Ryzen 7 9700Xと32GBメモリを標準搭載しているため、画像編集、RAW現像、複数のデザインアプリを使う構成としてバランスが取れています。RTX 5050は、PhotoshopやLightroom ClassicのGPU機能、軽い動画編集へ対応しやすい8GB VRAM搭載GPUです。

一方、Premiereの4K編集やAfter Effectsを主用途にするなら、RTX 5060 Ti 16GB以上を選べる構成へ変更するか、最初から上位モデルを選ぶほうが分かりやすくなります。

Creative Cloud全般に使いやすい:パソコンショップSEVEN ZEFT R60XV

画像編集からフルHD動画、軽~中程度の4K編集まで、1台で幅広く使いたい人に向く構成です。

CPURyzen 7 9700X
GPUGeForce RTX 5060 8GB
メモリ32GB DDR5
SSD1TB NVMe SSD
確認時価格35万円台(特価・構成により変動)

RTX 5060 8GBを搭載しているため、RTX 5050搭載モデルよりPremiereやGPU処理へ余裕を持たせやすくなります。メモリ32GBも標準なので、Photoshop、Illustrator、Premiereを使う多くの人が選びやすい構成です。

動画素材を本体へ多く保存するなら、SSDを2TBへ変更するか、2台目SSDを追加してください。After Effectsを本格的に使うなら、メモリ64GBとRTX 5060 Ti 16GB以上への変更も検討します。

Premiereと高速外付け機器を重視:SENSE-F189-LC270K-RKX

Core Ultra 7 270K PlusとThunderbolt 4を重視する人向けですが、標準メモリは16GBなので、Adobe用途では32GB以上への変更を前提に選ぶモデルです。

CPUCore Ultra 7 270K Plus
GPUGeForce RTX 5060 8GB
メモリ16GB DDR5(32GB以上へ変更推奨)
SSD1TB NVMe SSD
端子Thunderbolt 4
確認時価格369,800円(税込・カスタマイズ前)

高性能なCore Ultra 7 270K Plusを搭載し、PremiereでH.264・HEVC素材を扱う人や、CPU処理を重視する人が候補にしやすい構成です。Thunderbolt 4対応の外付けSSD、ドック、映像機器を使いたい場合にも向いています。

注意点は、CPUとGPUに対して標準メモリ16GBが少ないことです。Premiere中心なら32GB、After Effectsも併用するなら64GBへ変更し、必要に応じてSSDも2TBへ増やしてください。カスタマイズ後の総額を、最初から32GB・2TBを搭載するモデルと比較することが重要です。

VRAMとサポートを重視:DAIV KM-A7G6T

RTX 5060 Ti 16GBと32GBメモリを標準搭載し、Premiere、Lightroom ClassicのAI処理、4K編集まで広く対応したい人に向いています。

CPURyzen 7 9700X
GPUGeForce RTX 5060 Ti 16GB
メモリ32GB DDR5
SSD1TB NVMe Gen4
保証・サポート3年間センドバック修理保証、24時間365日電話サポート
確認時価格369,800円(税込・セール価格)

RTX 5060 Tiの16GB版は、8GB版よりVRAMに余裕があり、4K素材、AI処理、GPUエフェクト、3Dを含む制作へ対応範囲を広げやすい点が魅力です。画像編集だけには過剰ですが、Creative Cloudを横断して使う人にはバランスのよい構成です。

標準SSDは1TBなので、動画編集を主用途にするなら2TBへ変更したいところです。After EffectsとPremiereを常時連携させるなら、メモリ64GBへの変更も検討してください。

After Effects・長時間制作向け:サイコム Lepton Motion Pro II B860i

CPU・GPUだけでなく、2TB SSD、冷却、静音性、パーツの型番まで確認して仕事用PCを選びたい人に向くモデルです。

CPUCore Ultra 7 270K Plus
GPUGeForce RTX 5060 Ti 16GB
メモリ32GB DDR5
SSDCrucial P310 2TB NVMe Gen4
CPUクーラーNoctua NH-U12S chromax.black
電源Cooler Master 850W・80 PLUS Gold
確認時価格44万円台(標準構成の目安。注文時に要見積もり)

Core Ultra 7 270K Plus、RTX 5060 Ti 16GB、2TB SSDを標準搭載し、映像編集向けに必要な主要性能がそろっています。Noctua製クーラーと20cmケースファンを採用し、長時間の高負荷と静音性まで考えられている点が、単純なCPU・GPU比較では見えない強みです。

After Effectsを主用途にするなら、メモリを64GB以上へ変更するのがおすすめです。さらに素材・キャッシュ用SSD、10GbEカードなども選べるため、NASを使う業務環境にも合わせやすくなっています。

BTOで変更するなら、メモリ・SSD・GPUの順に用途を確認する

カスタマイズは追加できるものを全部選ぶのではなく、標準構成の弱点だけを補います。

Adobe向けPCでは、まずメモリ不足をなくし、次に作業データを保存できるSSD容量を確保し、その後にGPUとCPUを用途に合わせて調整します。

標準構成優先する変更理由
メモリ16GB・SSD 1TBメモリ32GB複数Adobeアプリの同時使用へ余裕を持たせる
メモリ32GB・SSD 1TB動画用途ならSSD 2TB素材、キャッシュ、書き出しデータの容量を確保する
RTX 5050・メモリ32GBPremiere中心ならRTX 5060以上動画のGPU処理とVRAMへ余裕を持たせる
RTX 5060・メモリ32GBAfter Effects中心ならメモリ64GBを先に検討プレビューと複数アプリのメモリ不足を避ける
メモリ64GB・SSD 2TB・RTX 5060 Ti 16GB必要が明確でなければ標準のまま主要な弱点が少なく、過剰カスタマイズを避けられる

追加予算の使い方に迷う場合は「BTOパソコンにあと1万円かけるならどこを強化するか」も参考にしてください。

Adobe Creative Cloud向けPCのよくある質問

Adobe向けPCに唯一の正解はありませんが、用途を分ければ必要な構成はかなり絞れます。

メモリ16GBでもAdobe Creative Cloudは使えますか?

Illustrator、InDesign、軽いPhotoshopを単体で使うなら16GBでも対応できますが、新規購入は32GBがおすすめです。

Premiere、After Effects、Lightroom Classicの大量処理や、複数アプリの同時使用では32GB以上を選んでください。After EffectsとPremiereの連携は64GBを検討します。

Adobe Creative Cloudにグラフィックボードは必須ですか?

すべてのAdobe用途で必須ではありませんが、動画編集、AI処理、3D、GPU対応エフェクトを使うなら搭載をおすすめします。

IllustratorやInDesign中心なら新しい内蔵GPUでも対応できます。Photoshop・Lightroom ClassicのGPU機能を広く使うならRTX 5050以上、PremiereならRTX 5060以上を目安にしてください。

ゲーミングPCでもAdobe Creative Cloudを使えますか?

CPU、GPU、メモリ、SSDが必要条件を満たしていれば、ゲーミングPCでもAdobeアプリを使用できます。

ただし、標準メモリが16GB、SSDが500GB~1TBのモデルもあります。動画・After Effects用途ではメモリとSSDを変更し、SDカードリーダー、Thunderbolt、静音性、色域の広いモニターが必要かも確認してください。

RTX 5060とRTX 5070はどちらがよいですか?

フルHD~軽い4K動画はRTX 5060、4K動画・GPUエフェクト・VFXを重視するならRTX 5060 Ti 16GBまたはRTX 5070が目安です。

Photoshop・Illustrator中心ならRTX 5070は必要ない場合があります。また、VRAMを多く使う作業では、GPU速度だけでなくRTX 5060 Ti 16GBの容量が有利になることもあります。

SSDは1台と2台のどちらがよいですか?

画像・DTP中心なら大容量SSD1台でも十分ですが、Premiere・After Effectsでは素材やキャッシュを2台目SSDへ分ける価値があります。

ただし、2台構成はバックアップではありません。別の外付けドライブ、NAS、クラウドにもデータを複製してください。

まとめ:Adobe向けPCはアプリ名ではなく制作工程で選ぶ

Adobe Creative Cloud向けPCは、最も重いアプリ、素材の解像度、同時起動するアプリ数の3つで構成を決めると失敗を減らせます。

  • Photoshop・Illustrator・InDesign中心:32GBメモリ、1TB SSD、内蔵GPU~RTX 5050
  • Photoshop・Lightroom Classic・RAW現像:Ryzen 7/Core Ultra 7、32GB、RTX 5050~5060
  • Premiere・フルHD:32GB、RTX 5060、1TB~2TB SSD
  • Premiere・4K:32GB~64GB、RTX 5060 Ti 16GB~RTX 5070、2TB SSD
  • After Effects・Dynamic Link:64GB以上、RTX 5060 Ti 16GB以上、2TB+キャッシュ用SSDを検討

高性能なパーツを全部選ぶ必要はありません。画像編集だけならGPUを抑え、After Effectsならメモリを増やすなど、自分の待ち時間を減らせる部分へ予算を使ってください。

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使用するAdobeアプリやBTOのカスタマイズ項目が決まったら、次の記事で構成をさらに絞り込めます。





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