ゲーマー向け vs クリエイター向け:BTO構成の違いを比較してみた
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最終更新日:2025年10月21日
BTOパソコンを選ぶとき、「ゲーム用」と「クリエイター用」で何が違うのか迷う人は多いでしょう。
どちらも高性能パーツを使う点は同じですが、重視すべき部分がまったく異なります。
この記事では、CPU・GPU・メモリ・ストレージなどの違いを中心に、実際の構成例を交えながら解説します。
目次
ゲーマー向けBTO構成の特徴

- GPU性能を最優先。高フレームレートと描画品質が重視される。
- CPUはミドル〜ハイエンド、メモリは16〜32GBが定番。
- NVMe SSDでロード時間短縮、冷却性能も重要。
ゲーミング向けのBTOパソコンは、まずグラフィックボード(GPU)性能を最優先に設計されます。最新の3DゲームではGPUの性能がそのままフレームレートや画質に直結するためです。
CPUはミドル〜ハイレンジ(Core i5〜i7、Ryzen 5〜7)でも十分ですが、GPUはRTX 5070、RTX 5070 Ti、RTX 5080など上位クラスを選ぶと高解像度・高リフレッシュレート環境で快適に動作します。
またゲーミングではメモリも重要でDDR5 16GB〜32GBが主流です。ロード時間短縮のために高速なNVMe SSDを採用するケースが多く、1TBあれば主要ゲームを複数インストールできます。
ほかにも冷却性能も重視され、ARGBファンや大型クーラーを搭載する構成が人気です。
見た目のデザイン性を意識したRGBライティングケースも、ゲーミング系の特徴といえるでしょう。
クリエイター向けBTO構成の特徴

- CPUコア数とメモリ容量を重視。動画編集・3D制作向け。
- Ryzen 9やCore Ultra 9、メモリ32〜64GBが推奨。
- 静音性・安定性を重視し、GPUは中〜上位モデルで十分。
クリエイター向けBTOパソコンはCPU性能とメモリ容量を最重視します。
動画編集、3Dモデリング、音楽制作、画像処理などの作業はCPUのマルチスレッド性能が命です。たとえばRyzen 9やCore Ultra 9などの高コアCPUを搭載すると書き出し時間やレンダリング速度が大幅に短縮されます。
メモリは最低でも32GB以上が理想で、After EffectsやDaVinci Resolveなどの重いソフトを扱う場合は64GB以上を推奨します。
GPUは描画補助やレンダリング支援のためにミドルクラス(RTX 5060〜5070など)を選ぶことが多く、ゲーム用ほど高性能でなくても問題ありません。
静音性や発熱管理も重要で、水冷クーラーや静音ケースが好まれます。長時間安定稼働を意識した構成が、クリエイター向けBTOの基本です。
CPUの考え方:フレームレート重視 vs 処理速度重視

- ゲーム用途ではCore Ultra 5~7 / Ryzen 5~7クラスが最適。
- 制作用途ではCore Ultra 9 / Ryzen 9など高コアCPUが有利。
ゲーム用途と制作用途ではCPUに求められる性能がまったく異なります。
ゲーマーはフレームレート重視のため、GPU性能を引き出せる中〜上位CPU(Ryzen 5~7、Core Ultra 5~7など)を選べば十分です。ゲームは一部のスレッドに負荷が集中する傾向があるため、マルチスレッド性能よりもシングルスレッド性能が重要です。
一方、クリエイターはマルチスレッド処理能力を重視します。動画エンコードや3Dレンダリングではコア数が多いほど作業が早く終わります。
Ryzen 9やCore i9クラスは高価ですが、時間を節約できるため投資効果が高いといえます。
メモリとストレージの違い

- ゲームは16〜32GBで十分、制作は32〜64GBが理想。
- 制作ではメモリ不足が作業効率を大きく下げる。
- クリエイターは大容量SSD+HDDでデータ管理する傾向。
メモリ容量は作業の種類で必要量が大きく変わります。
ゲーミングでは16GB〜32GBで十分ですが、クリエイター用途では32GBでも足りないことがあります。After EffectsやPhotoshopを同時起動したり、4K動画を扱う場合は64GB以上を推奨します。
ストレージも考え方が異なり、ゲーマーは1TB前後の高速NVMe SSDを重視しますが、クリエイターは複数ドライブ構成がおすすめです。OS用SSD、プロジェクト用SSD、バックアップ用HDDなどを分けることで、処理速度と安全性を両立できます。
クリエイターの方はSSDはPCIe 5.0対応モデルを選ぶと大容量データの読み書きが快適になるのでおすすめです。
電源・冷却・静音性の違い

- ゲーマーは冷却性能を重視し、派手なケースも人気。
- クリエイターは長時間作業に耐える静音性が重要。
- 高品質電源や静音ファンで安定稼働を狙う。
ゲーミング向けでは一時的な高負荷に対応できる冷却性能と電源容量が重視されます。大きなエアクーラーや水冷式クーラーを搭載し、派手なRGBファンで演出するケースも多いです。
クリエイター向けでは長時間稼働の安定性と静音性が求められます。動画エンコードやレンダリングを何時間も行うため、80PLUS GOLD以上の高品質電源や静音ファン、振動を抑えたケース構造が選ばれます。作業中にファン音が気になると集中できないため、静音志向の構成が理想的です。
実際の構成例

用途 | CPU | GPU | メモリ | ストレージ | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
ゲーミング構成 | Core Ultra 7 265KF / Ryzen 7 9800X3D | RTX 5070 Ti | 32GB | 1TB NVMe SSD | 高FPS・高画質重視 |
クリエイター構成 | Core Ultra 9 285K / Ryzen 9 9950X | RTX 5070 | 64GB | 2TB NVMe SSD+HDD | 処理速度・安定性重視 |
たとえばゲーミング用BTOでは、Core Ultra 7 265KFまたはRyzen 7 9800X3Dに、RTX 5070 Tiを組み合わせる構成が定番です。これにDDR5メモリ32GB、1TB NVMe SSDを搭載すれば、高画質設定でも安定したフレームレートを確保できます。
クリエイター向けでは、Core Ultra 9 285KやRyzen 9 9950XにRTX 5070、64GBメモリ、2TB SSD+4TB HDDといった構成が理想です。処理性能と安定性のバランスを取りつつ、作業データを余裕をもって保存できる設計になっています。
どちらもBTOなら自分の用途に合わせて細かく調整可能です。
価格の違いとコスパの考え方

- ゲーミング構成は20万円前後で構築可能。
- クリエイター構成は25〜30万円程度が目安。
- 「どこに時間を使うか」で最適なコスパが変わる。
ゲーミング構成はGPUにコストが集中するため、20万円前後で高性能マシンを組めます。一方、クリエイター構成はCPU・メモリ・ストレージに費用が分散するため、25〜30万円程度が目安となります。
ただしどちらが「高い・安い」ではなく、投資対効果の違いです。ゲームでは快適さや映像体験、制作では作業時間の短縮がリターンになります。
自分にとってどちらの時間が価値あるかを基準に選ぶのが正解です。
まとめ:目的に合わせて最適化しよう
- ゲーマー向け:GPU性能・フレームレート・冷却性を重視
- クリエイター向け:CPU性能・メモリ容量・静音性を重視
BTOパソコンは、同じ「高性能」でも目的が変われば構成がまったく違います。ゲーマーはGPU中心、クリエイターはCPU・メモリ中心。どちらも一見似ていますが、考え方が逆方向です。
BTOの最大の魅力は、自分の用途に合わせて自由に最適化できることです。
購入前に「自分が一番多く使うソフト」「重視したい性能(FPS・静音・処理時間)」を整理しておくと失敗しません。パーツを理解して組むことで、同じ予算でも性能を最大限に引き出せます。
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