パソコンをパーツ交換・増設前提で買うのはあり?徹底解説
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最終更新日:2025年9月25日
パソコンを購入するときに「とりあえず最低限のスペックで買って、後からパーツを交換して性能を上げればいいのでは?」と考える方は多いでしょう。特にBTOパソコンを検討している人や、自作PCに興味がある人なら、一度は思いつく発想でしょう。
確かに、パーツ交換は性能を後から強化できる柔軟な方法です。しかし、実際にはパーツ交換にはメリットとデメリットの両方があります。
本記事では、パーツ交換を前提にパソコンを買うのは“アリ”なのかどうかを詳しく解説していきます。
さらに、初心者でもできるおすすめのパーツ交換例や、交換を想定して買うときの注意点についても紹介します。
目次
パーツ交換のメリット

コストを分散できる
一度に高額なパソコンを買わず、必要に応じて少しずつアップグレードできるのが大きなメリットです。
最初からハイスペックPCを買おうとすると、20〜30万円以上かかることも珍しくありません。
ですがメモリやグラフィックボードを後から追加すれば、初期投資を抑えて、必要なときに必要な分だけ強化できます。
例えば「普段はネットやOffice作業中心 → 後から動画編集を始めたい」となった場合、最初は10万円台で買い、必要に応じてGPUを追加する、といったことが可能です。
特に学生や社会人の初期投資を抑えたい人に向いています。
また、BTOでカスタマイズするよりも安くなる可能性が高いです。詳しくはこちらのページも参考にしてください
用途に合わせて進化できる
購入時には軽い作業しかしていなくても、後から動画編集やゲームを始めたときに対応可能です。
必要になったタイミングでグラフィックボードやメモリを追加できます。
購入時には「写真編集だけ」と思っていても、数年後に動画編集やゲームを始めるかもしれません。
その際にグラフィックボードやストレージを増設することで、用途の変化に柔軟に対応できます。
愛着が湧く
自分でパーツを選んで交換することでパソコンに対する理解が深まり、長く使いたくなる傾向があります。
自分でパーツを選び、交換することでPCの仕組みを理解でき、より大事に使えるようになります。「自分で育てたPC」という感覚が強くなるのも魅力です。
パーツ交換のデメリット

互換性の制約がある
SSD、メモリ、グラフィックボードあたりでは問題がないことが多いです。
ですが例えばCPU、電源、マザーボード、ケースのサイズによっては交換できるパーツが制限されます。最新のパーツを導入できるとは限りません。
パソコンは「どんなパーツでも自由に交換できる」わけではありません。
- CPUはソケット規格が合わないと装着できない
- マザーボードの対応メモリ規格が決まっている
- ケースのサイズによっては大きなGPUが入らない
そのため、最新パーツを導入したいと思っても、結局は丸ごと買い替えが必要になるケースもあります。
古いパソコンでは割高になる可能性
古いパーツを流用すると性能のバランスが崩れ、最終的にはフルモデルチェンジの方が安く済むこともあります。
作業の難易度
メモリやSSDは簡単に交換できますが、CPUやマザーボードは配線や組み直しが必要で初心者にはハードルが高いです。
初心者でも安心してできるパーツ交換・増設例
パーツ | 難易度(10段階評価) | 必要な道具 | 作業時間の目安 | ポイント |
---|---|---|---|---|
SSD(M.2) | 1(簡単) | プラスドライバー | 5〜10分 | 差し込むだけで完了。最初の交換におすすめ。 |
メモリ | 2(簡単) | 特になし(ドライバー不要) | 5〜10分 | 差し込むだけで完了。最初の交換におすすめ。 |
SSD / HDD (SATA) | 3(簡単) | プラスドライバー | 10〜20分 | 交換や増設で体感速度が大きく改善。OS移行はやや知識が必要。 |
グラフィックボード(GPU) | 5(普通) | プラスドライバー | 15〜30分 | 補助電源ケーブルの接続が必要な場合あり。サイズに注意。 |
電源ユニット(PSU) | 7(やや難しい) | プラスドライバー | 30〜60分 | 多数のケーブルを正しく接続する必要があり、初心者にはやや複雑。 |
CPU | 8(難しい) | プラスドライバー、CPUグリス | 30〜60分 | ソケットの向きやグリス塗布に注意。失敗すると故障リスクあり。 |
マザーボード | 10(非常に難しい) | プラスドライバー | 1〜2時間 | ほぼ全てのパーツを外す必要あり。初心者には非推奨。 |
パーツ交換を前提に買う場合でも、「やりやすいパーツ」と「やめておいた方がいいパーツ」があります。
メモリ

- 増設が最も簡単で効果が出やすい。
- 8GB → 16GBにするだけでも、マルチタスクや画像編集の快適さが大きく向上。
メモリ(RAM)の交換方法
- 電源を切る:
- PCの電源を完全にオフにし、電源ケーブルを抜く。
- ケースを開ける:
- サイドパネルを外し、マザーボードのメモリスロットを確認。
- 既存メモリを外す(必要な場合):
- スロット両端のロックを押し下げると、メモリが持ち上がる。
- 新しいメモリを差し込む:
- メモリの切り欠き位置をスロットと合わせ、垂直に強く押し込む。
- 「カチッ」と音がしてロックが戻れば完了。
- 動作確認:
- PCを起動し、BIOSまたはWindowsでメモリ容量を確認する。
ストレージ(SSD/HDD)

- HDDからSSDに換装すれば、起動時間やソフトの立ち上げ速度が劇的に改善。
- NVMe SSDを追加することで、動画編集のプレビューや書き出しが高速化。
SSD/HDDの交換・増設方法
- 電源を切る
- 必ず電源ケーブルを抜いてから作業。
- 設置場所を確認
- 2.5インチSSD/HDDならドライブベイへ、M.2 SSDならマザーボードのM.2スロットへ。
- ストレージを取り付け
- SATA SSD/HDDの場合 → ネジで固定し、SATAケーブルと電源ケーブルを接続。
- M.2 SSDの場合 → 斜めに差し込み、押し下げてネジで固定。
- 配線を整理してケースを閉じる
- OSで認識確認
- Windowsなら「ディスクの管理」で新しいドライブをフォーマットして使えるようにする。
グラフィックボード(GPU)

- ゲームや動画編集を始める人に効果的。
- GPU性能はPCの寿命を左右するため、後からの追加・交換で大きく性能アップ可能。
グラフィックボード(GPU)の交換方法
- 電源を切る
- 電源ケーブルを抜き、放電してから作業開始。
- 既存のGPUを外す(ある場合)
- PCIeスロットのロックを外し、ケース背面の固定ネジを外して取り外す。
- 新しいGPUを差し込む
- PCIeスロットにまっすぐ押し込み、「カチッ」とロックがはまるまで差し込む。
- 電源ケーブルを接続
- 補助電源(6pinや8pin)が必要な場合は、電源ユニットからケーブルを接続。
- 固定とケースを閉じる
- 背面をネジでしっかり固定してからサイドパネルを戻す。
- ドライバーをインストール
- PCを起動し、NVIDIAやAMDの公式サイトから最新ドライバーをインストール。
👉 一方、CPUとマザーボードの交換は互換性が低いため、後から交換するよりも最初に十分な性能を選ぶ方が安心です
「交換前提」で買うのがアリな人
- パーツ交換に興味があり、ある程度PC知識がある人
- 予算の都合で、最初からフルスペックを揃えられない人
- 長く同じケースや周辺機器を使い回したい人
こうした人にとっては、パーツ交換を前提にする戦略は十分にメリットがあります。
「交換前提」はおすすめできない人
- 初心者でパーツ交換に不安がある人
- 常に最新性能を求めたい人(買い替えの方が効率的)
- 動画編集や3DCG制作など、高性能が必須な作業を行う人
こうした人は「交換前提」で妥協するより、最初から高性能モデルを選んだ方が快適で長持ちします。
交換しやすいPCを買うときのポイント
- BTOパソコンを選ぶ
BTOショップ名 | 特徴 | カスタマイズ性 | 保証・サポート | セールの頻度 |
---|---|---|---|---|
24時間サポート、法人向けモデルも充実 | 〇 | ◎ | 定期的 | |
パソコン工房 | コスパ重視、全国に店舗あり | ◎ | 〇 | 頻繁 |
サイコム ![]() | 高品質パーツ採用、静音や水冷など専門性あり | ◎ | ◎ | △ |
パーツ知識のある人に人気、信頼性が高い | ◎ | 〇 | 定期的 | |
セール特化で安さに強い | 〇 | 〇 | 非常に多い | |
自由度の高いカスタマイズが可能 | ◎ | △ | △ |
国内のBTOメーカー(「マウスコンピューター」、「パソコン工房」など)は、拡張性を重視したケースを採用していることが多く、後からのパーツ追加がしやすいです。
一般的なパソコンメーカー(DELL、HP、NECなど)は交換前提になっていないことが多いので、交換できない可能性が高まります。
- ケースサイズは大きめを選ぶ
ミニタワーよりもミドルタワー以上の方が、グラボや冷却ファンを増設しやすくなります。
- 電源ユニットの容量に余裕を持たせる
将来的に高性能GPUを入れたいなら、最初から650W以上の電源を搭載しておくと安心です。
- マザーボードの拡張スロットを確認する
メモリスロットが4本あるか、M.2スロットが複数あるかどうかも重要です。
まとめ
パーツ交換を前提にPCを買うのは「一部のパーツを交換する」スタイルなら十分アリです。
特にメモリやストレージのアップグレードは初心者でも簡単で、コストを抑えながら性能を引き上げられます。
ただし、CPUやマザーボードまで交換を考えるなら、最初からしっかりしたスペックのPCを選んだ方が効率的です。
結論:ライトなアップグレードはおすすめ。ただし大幅な交換を見越すなら、最初から高性能モデルを購入した方が賢明です。
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