Core Ultra 7 270K PlusってどんなCPU?選ぶ価値はある?
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最終更新日:2026年6月24日
目次
Core Ultra 7 270K Plusとは

2026年3月に登場した、Intelのデスクトップ向け上位CPUです。
従来のCore Ultra 200Sシリーズ、いわゆるArrow Lake-Sを改良した「Arrow Lake Refresh」に当たります。
位置づけとしてはCore Ultra 7ですが、コア構成は旧最上位のCore Ultra 9 285Kと同じ24コアです。つまり、Core Ultra 9 285K級のマルチコア性能を、より安い価格帯に降ろしたCPUとなっています。
主な仕様
| 項目 | Core Ultra 7 270K Plus |
|---|---|
| Pコア | 8コア |
| Eコア | 16コア |
| 合計 | 24コア/24スレッド |
| 最大クロック | 5.5GHz |
| キャッシュ | 36MB |
| CPUベース電力 | 125W |
| 最大ターボ電力 | 250W |
| メモリ | DDR5-7200正式対応 |
| ソケット | LGA1851 |
| 内蔵GPU | あり |
| オーバークロック | 対応するKモデル |
| 米国推奨価格 | 289~299ドル |
Intelの現在のPコア+EコアCPUはHyper-Threadingを採用していないため、24コア=24スレッドです。
従来モデルとの違い
Core Ultra 7 265Kとの比較
| 265K | 270K Plus | 285K | |
|---|---|---|---|
| Pコア | 8 | 8 | 8 |
| Eコア | 12 | 16 | 16 |
| 合計 | 20コア | 24コア | 24コア |
| 最大Pコアクロック | 5.5GHz | 5.5GHz | 5.7GHz |
| メモリ | DDR5-6400 | DDR5-7200 | DDR5-6400 |
| 最大電力 | 250W | 250W | 250W |
単なる100~200MHz程度のクロック向上ではなく、Eコアが4個追加されています。そのため、動画エンコード、3DCGレンダリング、コンパイル、After EffectsやPremiere Proなどの並列処理では265Kよりかなり強力となっています。
PC Gamerのテストでは、Cinebench 2024のマルチコアスコアが、
出典:PC Gamer「Intel Core Ultra 7 270K Plus review
- 270K Plus:2,435
- 265K:1,989
- 285K:2,383
となっており、270K Plusは265Kを約22%上回り、旧最上位の285Kもわずかに上回っています。
Core Ultra 9 285Kとの比較
270K Plusは、285Kと同じ8P+16Eです。
285Kは一部の最大クロックがわずかに高いものの、270K PlusはEコアや内部接続、メモリ周辺が改良されており、処理によっては285Kより速くなります。実測でもBlender、Cinebench、HandBrake、7-Zipなどで285Kと同等か上回る結果が出ています。
つまり、285Kをすでに持っている人が買い替えるCPUではありませんが、新しくLGA1851環境を組むなら、285Kより270K Plusのほうがおすすめです。
得意な用途

特に強い
- After Effects
- Premiere Pro
- DaVinci Resolve
- 3DCGレンダリング
- 動画エンコード
- ソフトウェアのコンパイル
- 大量のファイル圧縮・展開
- ゲームと配信の同時実行
- 複数アプリを同時に動かす作業
24コアを使えるので、クリエイティブ用途や重いマルチタスクに向いています。Premiere Proのベンチマークでは、270K Plusが285Kをわずかに上回った例もあります。一方、Photoshopのようにコア数を使い切らない処理では、Ryzen 7 9700Xに負けるテストもあります。
ゲーム性能
Intel製デスクトップCPUとしては、発売時点で最上位クラスのゲーム性能です。ただし、あらゆるゲームで最速という意味ではありません。
PC Gamerの評価では、270K PlusはIntel製CPUの中では最も優れたゲーミングCPUですが、Ryzen 7 9800X3Dを総合的に上回るほどではないとされています。ゲームによっては270K Plusが優勢ですが、X3D系は特にゲーム性能と省電力性が強いです。
したがって、
- ゲームだけを最優先:Ryzen X3D系が有力
- ゲーム+動画編集・制作:270K Plusが有力
- マルチコア性能を価格重視で確保:270K Plusが非常に有力
という選び方になります。
Intel Binary Optimization
270K Plusでは、新しいIntel Binary Optimizationという最適化機能も導入されています。
対応するゲームやアプリの実行コードをCPUに合わせて最適化する仕組みで、対応タイトルでは数%から、タイトルによっては10%以上性能が伸びる場合があります。ただし、すべてのソフトが速くなる機能ではなく、効果は対応状況に左右されます。実測ではCyberpunk 2077で約3%、FF14で約5%向上した例があります。
Puget Systemsによる性能比較

Puget Systemsがクリエイティブ用途を中心に実施したベンチマークでは、Core Ultra 7 270K Plusは多くのソフトでCore Ultra 9 285Kに匹敵するか、それを上回る性能を示しています。
Adobe Premiere Proの総合スコアでは、Core Ultra 7 270K PlusはCore Ultra 7 265Kとほぼ同等で、Core Ultra 9 285Kを3%上回りました。ただし、この差はテストの誤差範囲内とされており、3製品の実用性能はおおむね同等と考えられます。また、Intelの内蔵GPUを利用したQuick Syncにより、LongGOP形式の動画編集ではAMD製CPUより高い性能を示しています。
Adobe After Effectsでは、270K Plusは総合スコアで265Kと285Kを4%上回りました。特に2Dモーショングラフィックスではテスト対象の中で最高性能を記録しており、265Kを4%、285Kを7%上回っています。一方、3D処理やモーショントラッキングではAMD Ryzenシリーズが優勢であり、作業内容によって適したCPUが異なります。
DaVinci Resolve Studioでは、270K Plusが総合スコアで最も高い結果となり、285Kと265Kをそれぞれ3%上回りました。RAWコーデックやイントラフレーム形式の処理でも高い性能を示しており、Puget SystemsはDaVinci Resolve向けCPUとして270K Plusを推奨しています。
CPUレンダリングでは、270K Plusは265Kより平均23%、285Kより平均6%高速でした。Puget Systemsは、Core Ultra 7 270K Plusについて、約300ドルという価格ながら、従来は約580ドルのCore Ultra 9 285Kでしか得られなかった8Pコア+16Eコア構成を備えており、プロ向け用途における価格性能比が非常に高いと評価しています。
ただし、PhotoshopではRyzenシリーズのほうが優勢です。270K Plusは265Kより5%高速だったものの、Ryzen 7 9700Xより15%低い結果となりました。そのため、270K PlusはPremiere Pro、After Effectsの2D制作、DaVinci Resolve、CPUレンダリングを重視するユーザーに適したCPUといえるでしょう。
出典:Puget Systems「Intel Core Ultra 200S Plus Content Creation Review」
注意点

消費電力と冷却
最大ターボ電力は250Wです。高負荷を長時間かけると、実測で約240~253Wに達した例があります。空冷でも運用できますが、After Effects、レンダリング、エンコードを長時間行うなら、
- 大型ツインタワー空冷
- 280mmまたは360mm簡易水冷
が安心です。小型の空冷や静音重視の低回転設定では、性能を完全には引き出せない可能性があります。
マザーボード
ソケットはLGA1851なので、従来のLGA1700マザーボードには搭載できません。基本的にはZ890、B860などのIntel 800シリーズが必要です。Kモデルを本格的に設定・オーバークロックするならZ890、定格運用ならB860も選択肢です。
また、LGA1851世代としては終盤の製品であり、将来のCPUアップグレード余地は大きくない可能性があります。これは新規にマザーボードまで購入する場合の弱点です。
総合評価
Core Ultra 7 270K Plusは、名前は「Ultra 7」ですが、実質的には改良版Core Ultra 9 285Kに近いCPUです。
長所は、24コアによる非常に高いマルチコア性能、動画編集・レンダリング・配信への強さ、旧285Kより低い価格設定です。短所は、最大250W級の消費電力、強めの冷却が必要なこと、ゲームだけならRyzen X3D系のほうが優れる場合が多いことです。
特にAfter EffectsやPremiere Proを使うPCでは、GPUだけでなくCPUコア数も重要なので、価格が適正ならかなり有力です。ただし、すでにCore Ultra 9 285Kを持っている場合は、買い替えるほどの差はありません。
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