Ryzen 7 9800X3D+RTX 5070で40万円台 高性能BTOはなぜここまで高くなった?
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最終更新日:2026年9月25日
Ryzen 7 9800X3DとRTX 5070を搭載したBTOパソコンが、40万円台で売られています。GPUは最上位モデルではないのに、なぜここまで高いのでしょうか。
理由はCPUとGPUの価格だけではありません。32GBメモリに加え、ケース、基板、冷却装置、保証まで含めた完成品の価格だからです。ただし、この組み合わせが必ず40万円台になるわけではありません。
この記事では、2026年9月24日に確認したメーカー直販の表示価格を比較します。9月25日には、過去の販売例と部品価格の動きも調べました。価格や在庫は変わるため、購入前に見積もりを確認してください。
同じCPU・GPUでも、40万円台の中で5万円の差がある

今回確認した3機種は、CPU・GPU・32GBメモリ・1TB SSDが共通です。それでも本体価格には、40万4,800円から45万4,800円までの開きがあります。
| 販売元・モデル | 税込表示価格 | 形状・基板 | 冷却・保証 |
|---|---|---|---|
| パソコン工房 LEVEL-M8AM-LCR98D-TK2XB | 404,800円~ | ミニタワー・A620 | 240mm水冷。延長保証は別料金 |
| パソコン工房 LEVEL-R785-LCR98D-TK1X | 434,800円~ | ミドルタワー・B850 | 240mm水冷。延長保証は別料金 |
| 454,800円~ | フルタワー・B850 | 240mm水冷。標準3年保証と電話サポート |
3機種ともWindows 11 Homeを搭載し、無線LANは搭載していません。販売元が異なる製品を比べているため、差額を特定の部品代や保証料だけに割り振ることはできません。
表に載せたのは、本体の掲載価格です。部品を追加したり、配送条件や延長保証を選んだりすると、支払額は変わります。
40万円未満の例もあります。パソコン工房の10周年記念モデルは、9800X3D+RTX 5070、32GBメモリ、2TB SSDで32万9,800円と掲載されています。ただし、9月25日に確認したページでは完売です。この掲載価格を、現在購入できる製品の最安値として扱うことはできません。
独自計算①:同じ販売元でケースと基板を変えると3万円差
パソコン工房の2機種には、3万円の価格差があります。BTOの価格はCPUとGPUだけでは決まらないことが分かります。
40万4,800円のモデルはミニタワーで、A620基板を採用しています。43万4,800円のモデルは、より大きなミドルタワーで、基板はB850です。メモリ32GB、SSD 1TB、240mm水冷という条件は共通しています。
差額率は3万円÷40万4,800円=約7.4%です。ただし、3万円すべてがケースと基板の原価差とは限りません。内部端子や拡張枠など、標準構成全体の違いを含む販売価格の差です。
安い方はメモリスロットが2本で、標準の32GBを搭載すると空きがなくなります。高い方は4本あり、2本が空きます。後からメモリを増設したいなら、この違いは見逃せません。増設する予定がなければ、3万円を上乗せする必要があるか考えてみましょう。
独自計算②:同じシリーズでCPUを替えると4万円差
マウスの同じHDシリーズでは、RTX 5070などの主な条件が共通する9700X搭載機が、9800X3D搭載機より4万円安く掲載されています。
NEXTGEAR HDの製品一覧では、Ryzen 7 9700X+RTX 5070のホワイトモデルが41万4,800円、9800X3D版が45万4,800円です。どちらも32GBメモリ、1TB SSD、標準3年保証を掲げています。
同一シリーズ内の表示価格差は4万円で、9700X版の価格に対して約9.6%です。ただし、BTOでCPUを9800X3Dに変更すると必ず4万円上がる、という意味ではありません。型番ごとの値付けや在庫条件も反映された価格です。
9800X3Dは、ゲームに使うデータをCPU内に多く置ける3D V-Cacheを備えています。CPUの性能がフレームレートを左右するゲームや、高いフレームレートを狙う用途では、選ぶ理由があります。画質を上げた結果、GPUが先に限界に達する使い方では、CPUにかけた追加費用を生かしにくい場合もあります。
独自計算③:保証をそろえると価格差は縮む
パソコン工房の43万4,800円モデルに3年保証を付けると、掲載額は47万8,280円です。保証込みで比べると、マウスの45万4,800円を上回ります。
保証の追加料金は4万3,480円で、本体価格の10%です。マウスは標準で3年間のセンドバック修理保証と電話サポートを掲げています。保証の対象やサポート内容は販売元ごとに異なりますが、本体価格だけを見て「2万円安い」と判断すると、支払総額を見誤ります。
ミニタワーの40万4,800円モデルも、同じ条件で比べるなら保証の追加料金を確認してください。BTOパソコンの延長保証7社比較では、料金と修理条件の見方を整理しています。
昔はもっと安かった?2025年には31万9,800円の販売例
2025年6月のメーカー発表には、9800X3D+RTX 5070を31万9,800円で販売する例がありました。40万円台の製品を見ると、以前より高く感じるのも自然です。
ユニットコムの2025年6月25日付発表資料によると、パソコン工房の「LEVEL-M8A6-LCR98D-TKX-k4sen」は31万9,800円でした。ミニタワーで、メモリは16GB、SSDは1TBです。CPUとGPUは今回の比較機と同じです。
現在の40万4,800円のミニタワーと比べると、表示価格の差は8万5,000円。旧価格に対して約26.6%です。ただし、現在の比較機はメモリが32GBで、冷却や電源などの仕様も異なります。同一製品が8万5,000円値上がりした、という計算ではありません。
2026年9月には、先ほどの32万9,800円の記念モデルも掲載されています。現在は完売していますが、価格はモデルや販売条件によって大きく変わります。過去の安い例と現在の高い例を並べるだけでは、市場全体でどれほど値上がりしたかは分かりません。
メモリとGPUの価格上昇は、BTOにどう響く?
PC用メモリとGPU用メモリには、値上がりの圧力があります。ただし、部品の価格上昇率をBTO本体の値上がり率にそのまま当てはめることはできません。
メモリ市場を調査するTrendForceの2026年7月の発表では、同年第3四半期に一般的なDRAMの契約価格が前期比13~18%上がると予測しています。PC向けの供給も、サーバー向けにどれだけ生産が振り向けられるかに影響されると説明しています。
同じ発表によると、GPUに使われるGDDR6・GDDR7の供給は絞られ、価格もメモリ市場全体の動きに沿って上がる見込みです。RTX 5070にはGDDR7が12GB搭載されています。GPUメーカーや販売店にとっても、コスト上昇の要因になります。
ただし、13~18%はDRAM全体の契約価格についての予測です。完成品のDDR5メモリやRTX 5070本体、日本のBTO販売価格が同じ割合で上がるわけではありません。仕入れ契約や在庫、セール価格によって、販売価格に反映される時期も変わります。
購入者にとっては、32GBへの増量料金や、同じGPUを搭載した新モデルの価格が気になるところです。それぞれ何円上がったかを確かめるには、同じ店・同じ型番の価格を継続して記録する必要があります。DDR5の価格とBTO実売の比較も参考にしてください。
CPUとGPUの発表価格だけで「値上がり」を説明できる?
新しいGPUの米ドル建て発表価格が上がった、という説明は当てはまりません。RTX 5070は549ドルから、前世代のRTX 4070は599ドルからでした。
AMDの9800X3D発表資料では、希望価格は479ドルです。それ以前の5800X3D発表資料では449ドルでした。差額は30ドルで、約6.7%です。
GPUはRTX 5070が549ドルから、RTX 4070が599ドルからです。発表価格は50ドル下がっています。いずれも当時の米国向け価格であり、日本での実売価格やBTOメーカーの仕入れ価格ではありません。
米国での発売時の希望価格が下がっていても、その後のGPU本体やGDDR7の仕入れ価格が下がるとは限りません。為替、在庫、構成、保証も変わります。過去から同一型番の価格を継続して記録したデータがないため、「今回のBTOは前年より何万円値上がりした」とは断定できません。
なぜ40万円台でもRTX 5070なのか
9800X3Dを選び、メモリを32GBにして、冷却装置やケースもそろえると、GPU以外にも予算がかかります。 RTX 5070だけを見て、PC全体を中価格帯と判断することはできません。
40万円台でRTX 5070 Ti搭載機が見つかることもあります。ただし、メモリ、SSD、保証、在庫まで同じ条件とは限りません。GPUの性能を重視するなら、CPUを見直してGPUに予算を回した構成も比べてみる価値があります。
メモリの価格だけでも、今回の価格差は説明できません。40万円台の3機種は、いずれも32GBですが、価格には5万円の開きがあります。GPUの価格上昇圧力も、機種ごとの差額をすべて説明するものではありません。
買う人は「40万円の中身」をどう見ればいい?
まずCPUとGPUを決め、メモリ、SSD、基板、冷却、保証の条件をできるだけそろえてから、支払総額を比べてください。
- フルHDで高フレームレートを狙うなら、9800X3Dを選ぶ理由を確認する。
- 高画質のWQHDや4Kを重視するなら、GPUに予算を回す構成も比べる。
- メモリ増設やSSD追加を考えるなら、空きスロットと基板を確認する。
- 最後に送料と保証を加え、同じ条件で作った見積もりを保存する。
45万4,800円のPCを5年使うと、購入額だけなら年9万960円、月約7,580円です。40万4,800円なら年8万960円、月約6,747円。差は月約833円です。これは購入額を使用期間で割った目安で、電気代や修理費、売却額は含みません。
月額に直すと差が小さく見えても、使わない機能に5万円を払う必要はありません。増設枠や保証を使う予定があるなら、購入時の差額だけで判断しない方がよいでしょう。RTX 5070+32GB機の価格差をパーツ別に見る記事も参考になります。
結論:40万円台は珍しくないが、構成だけで相場を決めない
9800X3D+RTX 5070のBTOパソコンには40万円台の製品があります。ただし、それがこの組み合わせの最低価格や適正価格を示すわけではありません。
今回比較した3機種は40万4,800~45万4,800円でした。一方、2025年には31万9,800円の販売例があり、2026年にも30万円台の完売モデルが掲載されています。PC用メモリやGPU用メモリには値上がりの圧力がありますが、機種ごとの価格差を考えるには構成や保証も確認が必要です。用途と増設予定を決めたうえで、現在購入できるモデルの見積もりを比べてください。
価格調査:2026年9月24日。過去事例と市場動向・在庫の追記:9月25日。価格は販売元の標準構成の税込表示。実際の販売・配送・保証条件と在庫は各リンク先で確認してください。独自計算は表示額から算出したもので、各部品の原価や同一製品の値上がり率を推定するものではありません。














