BTOパソコンはどこをカスタマイズすべき?優先順位を解説

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最終更新日:2026年9月4日

BTOパソコンを購入する際、注文画面にはメモリ、SSD、電源ユニット、CPUクーラー、ケースファンなど、さまざまなカスタマイズ項目が並びます。

パーツを自由に選べるのはBTOパソコンの魅力ですが、何もかも上位パーツに変更すれば、価格は大きく上がります。かといって初期構成のままでは、使い方によっては容量や冷却性能が足りなくなることもあります。

重要なのは、用途に合わせて、変更する部分と初期構成のままでよい部分を見極めることです

この記事では、BTOパソコンの購入時にどこをカスタマイズすべきか、優先順位を付けて解説します。

BTOパソコンのカスタマイズ優先順位

A desktop computer sitting on top of a desk

BTOパソコンで主に検討したいカスタマイズ項目は、次のとおりです。

優先順位カスタマイズ項目主な目的
1位メモリ動作の安定性、複数アプリの同時使用
2位SSD容量ゲーム、ソフト、データの保存
3位電源ユニット安定性、静音性、将来のパーツ交換
4位CPUクーラーCPU温度、騒音、性能低下の防止
5位ケースファンパソコン内部の冷却
6位CPU・GPU用途に必要な性能の確保
7位無線LAN・BluetoothWi-Fiや周辺機器への対応
8位保証期間故障時の修理費用を抑える

ただし、CPUやGPUは、注文画面で変更するより、最初から用途に合ったモデルを選ぶほうが失敗しにくくなります。

例えば、エントリー向けモデルでGPUだけを大幅に上位へ変更すると、電源やケース、冷却設計とのバランスが崩れることがあります。必要なGPUを標準搭載するモデルを選び、そこからメモリやSSDを調整するほうが無理のない構成にしやすくなります。

1位:メモリ

BTOパソコンを選ぶとき、最初に確認したいのがメモリ容量です。

メモリが足りないと、アプリの切り替えに時間がかかったり、ブラウザで多くのタブを開いたときに動作が重くなったりします。ゲームと同時に配信ソフトやボイスチャットを使う場合も、メモリを多く消費します。

用途別の目安は次のとおりです。

用途推奨メモリ容量
Web閲覧、動画視聴、文書作成16GB
一般的なPCゲーム16~32GB
ゲーム配信32GB以上
写真編集、動画編集32GB以上
4K動画編集、After Effects64GB以上
CAD、3DCG、AI関連32~64GB以上

現在のBTOパソコンなら、一般用途でも16GBをひとつの最低ラインとして考えるとよいでしょう。

ゲームや動画編集、配信に使うなら、最初から32GBにしておくと余裕が出ます。より多くのメモリを使うクリエイティブ用途では、64GB以上も候補です。

メモリは2枚組を選ぶ

メモリの枚数まで選べるなら、基本的には1枚構成より2枚構成を選びます。

例えば合計32GBなら、32GB×1枚より16GB×2枚の構成を選びます。2枚に分けることで、メモリ帯域を確保しやすくなります。

将来さらに大容量へ増設する予定があるなら、現在の使用スロット数と空きスロット数も確認しておきましょう。

2位:SSD容量

次に確認したいのが、システムストレージに使うSSDの容量です。

初期構成では500GB前後のSSDが搭載されていることがありますが、ゲームや動画を保存していくと、短期間で空き容量が足りなくなることがあります

用途別の目安は次のとおりです。

用途推奨SSD容量
Web閲覧、事務作業500GB~1TB
ゲーミングPC1TB以上
動画編集1~2TB以上
大量のゲームをインストール2TB以上
写真・動画の長期保存SSD+HDDまたは外付けストレージ

最近のPCゲームは、1タイトルだけでも大きな容量を占めることがあります。複数のゲームをインストールするなら、1TB以上あると余裕を持ちやすくなります

動画編集では、素材、キャッシュ、書き出しデータでストレージを大きく消費します。予算に余裕があるなら、OS用とデータ用でSSDを分ける構成も有効です。

SSDの速度より容量を優先する

BTOパソコンでは、より高速なSSDへ変更できることがあります。

ただ、一般用途やゲームでは、SSDのわずかな性能差より容量不足のほうが使い勝手に影響しやすいものです。

500GBの高性能SSDと1TBの標準SSDで迷ったら、特別な理由がない限り1TBのほうが実用的です。

動画編集で大量のデータを頻繁に読み書きする場合や、大容量ファイルを扱う場合は、SSDの速度も確認しましょう

3位:電源ユニット

電源ユニットは、CPUやGPUをはじめとする各パーツへ電力を供給します。

電源容量が不足していると、高負荷時に動作が不安定になったり、将来GPUを交換するときに容量が足りなくなったりすることがあります

高性能GPUを搭載するゲーミングPCやクリエイターPCでは、電源容量や仕様まで確認しておきたいところです。

電源容量は余裕を持たせる

必要な電源容量は、CPUとGPUの組み合わせによって異なります。

メーカーの標準構成なら、通常はその構成を動かすために必要な電源容量が選ばれています。将来GPUを交換する予定がある場合や、電源の負荷を抑えたい場合は、容量に余裕を持たせる意味があります。

目安としては、必要最低限ぴったりではなく、1段階上の容量を選ぶと余裕を持たせやすいです。

例えば標準構成が650Wなら、将来のアップグレードを見越して750Wへ変更する、といった選び方です。

もちろん、消費電力の小さい構成で必要以上に大容量の電源を選ぶ必要はありません。

80 PLUS認証だけで品質は判断できない

電源ユニットには、80 PLUS BronzeやGoldなどの表記があります。これは主に電力変換効率を示す認証で、電源ユニットそのものの品質を総合的に保証するものではありません。

確認できるなら、容量や認証だけでなく、電源ユニットのメーカー、型番、保証期間まで見ておきましょう。

BTOメーカーによっては電源の詳細が公開されていません。その場合は、標準構成をそのまま選ぶのも現実的です。高性能GPUを選ぶ場合は、上位の電源オプションも比較しておくと安心です。

4位:CPUクーラー

CPUクーラーは、CPUで発生した熱を逃がすためのパーツです。

CPU温度が上がりすぎると、ファンの回転数が上がって騒音が増えたり、CPUの動作クロックが抑えられたりすることがあります。

高性能CPUを選ぶなら、CPUクーラーもあわせて確認しましょう。

空冷と簡易水冷のどちらを選ぶべきか

CPUクーラーは、大きく空冷式と簡易水冷式に分けられます。

空冷クーラーは構造が比較的シンプルで、価格を抑えやすいのが利点です。一般的なゲーミングPCなら、大型空冷でも十分な冷却性能を確保できる場合があります。

簡易水冷クーラーは、高性能CPUへ長時間負荷をかける使い方と相性があります。動画のエンコード、3DCGレンダリング、CPUを使う計算処理などでは、冷却強化の効果が出やすくなります。

CPUの用途おすすめクーラー
Web閲覧、事務作業標準クーラーでも可
ミドルクラスのゲーミングPCサイドフロー型空冷
高性能CPU搭載ゲーミングPC大型空冷または簡易水冷
動画編集、3DCGレンダリング大型空冷または簡易水冷
静音性重視大型空冷を優先的に検討

簡易水冷を選べば必ず静かになる、というわけではありません。ラジエーターファンに加えてポンプも動作するため、製品や設定によっては空冷より音が気になることもあります。

5位:ケースファン

CPUやGPUの熱をケース外へ逃がすには、ケースファンの構成も無視できません。

標準構成のファンが少ないと、ケース内部に熱がこもり、CPUクーラーやGPUファンの回転数が上がることがあります。

特に高性能GPUを搭載する場合は、前面の吸気ファンと背面の排気ファンが適切に配置されているか確認しましょう。

ケースファンを追加すると、次のような効果が見込めます。

  • ケース内部の温度を下げやすくなる
  • CPUやGPUファンの回転数を抑えやすくなる
  • SSDや電源周辺の熱を排出しやすくなる
  • パーツの性能を安定して引き出しやすくなる

ファンは増やせばよいわけではなく、台数が増えるほど動作音が大きくなる場合もあります。吸気と排気を含めたケース全体のエアフローで考えましょう。

6位:CPU・GPU

CPUとGPUはPC性能を大きく左右します。ただし、この2つは注文時に細かく変更するより、最初のモデル選びで用途に合う組み合わせを選ぶほうが重要です。

ゲーミングPCはGPUを優先する

ゲームが主な用途なら、まずGPU性能を優先して考えます。

画質設定や解像度を上げるほどGPU負荷は大きくなります。フルHDよりWQHD、WQHDより4Kのほうが、より高性能なGPUを必要とします。

予算が限られていてCPUかGPUのどちらか一方を上位にするなら、ゲーム用途ではGPUへ予算を回したほうがフレームレートを伸ばしやすい傾向があります。

競技性の高いゲームで非常に高いフレームレートを狙う場合や、シミュレーションゲームのようにCPU負荷が大きいタイトルでは、CPU性能も無視できません。

動画編集や配信はCPUとのバランスが重要

動画編集、ゲーム配信、音楽制作では、CPUとGPUの両方を見て構成を決めます。

動画編集ソフトにはGPUでエフェクト処理やエンコードを行うものもありますが、すべての処理をGPUだけでこなすわけではありません。

クリエイターPCでは、CPUかGPUのどちらか一方だけを極端に強化せず、使うソフトや作業内容に合わせてバランスを取る必要があります。

7位:無線LAN・Bluetooth

デスクトップ型のBTOパソコンは、無線LANやBluetoothを標準搭載していないモデルもあります。

インターネット接続が有線LANでも、Bluetoothイヤホンやゲームコントローラー、マウス、キーボードを使うならBluetooth機能が必要です。

注文時に無線LANカードを追加しておけば、あとからUSBアダプターを取り付けずに済みます。

有線LANだけを使い、Bluetooth機器も接続しないなら、無理に追加する必要はありません。

8位:保証期間

BTOパソコンには通常メーカー保証が付きますが、標準保証の期間や内容はメーカーごとに異なります。

長く使う予定なら、延長保証も比較しておきましょう。

高額なゲーミングPCやクリエイターPCは、故障した部品によっては修理費用が高くなることがあります。

一方で、延長保証の料金が高い場合や、自分でパーツを交換できる場合は、加入しない選択肢もあります

保証を追加するときは、次の点を確認しましょう。

  • 保証期間
  • 自然故障のみか、物損も対象か
  • 修理時の送料
  • 修理回数の制限
  • 保証上限額
  • パーツ交換後も保証が継続するか

優先度が低いカスタマイズ

あると便利でも、用途によっては優先度を下げられる項目もあります。

光学ドライブ

DVDやBlu-rayを使わないなら、光学ドライブは不要です。

ソフトウェアやゲームの多くはダウンロードで入手できるため、必要になった時点で外付けドライブを用意する方法でも対応できます

カードリーダー

デジタルカメラのSDカードを頻繁に使うなら便利ですが、使用頻度が低ければ外付けカードリーダーでも十分です。

RGBイルミネーション

LEDファンや発光メモリは、見た目を好みに合わせるためのカスタマイズです。処理性能にはほとんど影響しないので、予算が限られているならメモリやSSDへ回したほうが実用性は高まります。

Officeソフト

WordやExcelが必要なら追加できますが、すでに使えるライセンスを持っている場合や、無料のオフィスソフトで足りる場合は不要です。

サブスクリプション型と買い切り型では利用条件が違います。価格だけで決めず、使用できる台数や機能も確認しましょう。

用途別のおすすめカスタマイズ

black flat screen computer monitor beside black computer keyboard

普段使い・事務作業向け

Web閲覧、動画視聴、文書作成が中心なら、大きくカスタマイズする必要はありません。

項目おすすめ構成
メモリ16GB
SSD500GB~1TB
電源標準構成
CPUクーラー標準または静音空冷
GPU内蔵GPUでも可
無線LAN必要に応じて追加

複数のアプリを使う人や長く使う予定の人は、SSDを1TBにしておくと容量に余裕を持ちやすくなります。

ゲーミングPC向け

ゲーミングPCは、まずGPUを基準に構成を考えます。

項目おすすめ構成
メモリ32GB
SSD1TB以上
電源GPUに合った容量+余裕
CPUクーラーサイドフロー型空冷以上
ケースファン吸気・排気を確保
GPU解像度と画質設定に合わせて選択

予算が限られているなら、CPUだけを必要以上に上位へ変更するより、GPU、メモリ、SSDへ予算を振り分けたほうが使いやすい構成にしやすくなります。

動画編集・配信向け

動画編集や配信では、CPU、GPU、メモリ、ストレージをまとめて考える必要があります。

項目おすすめ構成
メモリ32~64GB以上
SSD1~2TB以上
追加ストレージ素材・キャッシュ用に検討
電源高負荷を考えて余裕を確保
CPUクーラー大型空冷または簡易水冷
GPU使用ソフトに合わせて選択

4K動画やAfter Effectsを扱うなら、メモリ64GB以上も検討したいところです。素材やキャッシュの保存先として、2台目のSSDを追加する構成も役立ちます。

CAD・3DCG向け

CADや3DCGは、使用するソフトによってCPUとGPUの比重が変わります。

項目おすすめ構成
メモリ32~64GB以上
SSD1TB以上
電源GPUに合わせて選択
CPUクーラー高負荷に耐えられるもの
GPUソフトの推奨環境を確認
保証業務利用なら延長保証を検討

3DCGレンダリングではGPU性能が効きやすい一方、モデリングや一部の処理ではCPU性能も影響します。使用するソフトの推奨環境に加え、GPU認証の有無も確認しておきましょう。

予算が限られている場合の優先順位

カスタマイズに使える予算が限られているなら、次の順番で考えると整理しやすくなります。

  1. 用途に必要なCPU・GPUを搭載したモデルを選ぶ
  2. 用途に対してメモリ不足にならない構成にする
  3. SSDを1TB以上にする
  4. 高性能構成なら電源を見直す
  5. CPUクーラーとケースファンを強化する
  6. 無線LANや保証などを必要に応じて追加する

性能重視でも、CPUやGPUだけに予算を集中させると、構成全体の使い勝手を損ねることがあります。

高性能GPUを搭載していても、メモリが少なかったりSSD容量が不足していたりすれば、普段の使い勝手は悪くなります。カスタマイズは一つの部品だけでなく、PC全体のバランスを見て決めましょう。

BTOパソコンをカスタマイズするときの注意点

カスタマイズ価格が割高な場合がある

BTOメーカーのカスタマイズ料金は、同等パーツの単体価格より高めに設定されていることがあります。

メモリやSSDを自分で交換できる人は、最小構成で購入し、あとから増設したほうが安く済む場合があります

自分でパーツを交換すると、故障時の原因切り分けが難しくなったり、メーカー保証の条件に影響したりすることがあります。保証を重視するなら、購入時にカスタマイズしておくほうが扱いやすいでしょう。

パーツのメーカーや型番を確認する

BTOパソコンでは、メモリ、SSD、電源などのメーカー名や型番が公開されていないことがあります。

型番が分かるなら、性能や保証、レビューまで確認できます。型番が非公開なら、BTOメーカーの保証内容やサポート体制も含めて判断しましょう。

将来の増設が可能か確認する

将来メモリやSSDを増設する予定があるなら、空きスロットやドライブベイを確認しておきましょう。

コンパクトなケースは、一般的なデスクトップケースより増設できるパーツが限られることがあります。GPUの長さや電源ユニットの規格に制約がある場合もあるため、将来のアップグレードを重視するなら拡張性の高いモデルを選びましょう。

まとめ

BTOパソコンは、すべてのパーツを上位へ変更すればよいわけではありません。

まず用途に合ったCPUとGPUを搭載するモデルを選び、そのうえでメモリ、SSD、電源、CPUクーラーを調整すると、予算を配分しやすくなります。

一般的なゲーミングPCなら、メモリ32GB、SSD 1TB以上をひとつの目安にできます。動画編集や3DCGなどのクリエイティブ用途では、メモリ64GBや追加SSDも候補に入ります。

電源ユニットやCPUクーラーは、ベンチマークの数字を直接伸ばすパーツではありません。それでも、高性能なCPUやGPUを安定して動かすうえでは欠かせません。

価格だけで決めず、性能、容量、冷却、静音性、拡張性まで含めて、自分の用途に合う構成へ調整しましょう。

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