BTOパソコンの電源容量は750W・850W・1000Wのどれがよい?
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最終更新日:2026年7月30日
BTOパソコンを購入するとき、電源ユニットのカスタマイズで「750W・850W・1000Wのどれを選べばよいのか」と迷うことがあります。
容量が大きいほど安心できそうに見えますが、必要以上に大きな電源を選んでも、パソコンの処理性能が上がるわけではありません。
電源容量の目安は次のとおりです。
| 電源容量 | おすすめする構成 |
|---|---|
| 750W | RTX 5060 Ti~RTX 5070、RX 9070など |
| 850W | RTX 5070 Ti、RTX 5080、RX 9070 XTなど |
| 1000W | RTX 5090、最上位CPUとの組み合わせ |
| 1000W超 | オーバークロックモデル、マルチGPU、特殊なワークステーション |
一般的なゲーミングPCやクリエイターPCであれば、750Wまたは850Wで十分です。
なかでも、電源選びに迷った場合は850Wが最もバランスのよい選択です。RTX 5070 Tiクラスまで余裕を持って使いやすく、将来的にGPUを交換するときにも対応しやすくなります。
一方、1000W電源が必要になるのは、RTX 5090などの最上位GPUを搭載する場合が中心です。
BTOパソコンの電源容量はGPUを基準に選ぶ

パソコンの消費電力に最も大きく影響するパーツは、基本的にGPUです。
CPUやストレージの数も影響しますが、一般的なBTOパソコンでは、搭載するGPUを基準に電源容量を決めれば大きく失敗することはありません。
現行GeForceとRadeonの公式推奨電源容量は、次のようになっています。
| GPU | GPU消費電力の目安 | メーカー推奨電源 |
|---|---|---|
| GeForce RTX 5060 | 145W | 550W |
| GeForce RTX 5060 Ti | 180W | 600W |
| GeForce RTX 5070 | 250W | 650W |
| GeForce RTX 5070 Ti | 300W | 750W |
| GeForce RTX 5080 | 360W | 850W |
| GeForce RTX 5090 | 575W | 1000W |
| Radeon RX 9070 | 220W | 650W |
| Radeon RX 9070 XT | 304W | 750W |
NVIDIAはRTX 5070 Tiに750W、RTX 5070に650W、RTX 5060 Tiに600Wのシステム電力を求めています。RTX 5080は850W、RTX 5090は1000Wが公式仕様上の目安です。
AMDもRX 9070には650W、RX 9070 XTには750W以上の電源を推奨しています。
ただし、これはリファレンス仕様を基準にした数値です。
BTOパソコンに搭載されるGPUがメーカー独自のオーバークロックモデルの場合は、公式値より消費電力が高くなることがあります。その場合は、GPUメーカーやBTOショップが指定している容量を優先してください。
動画編集で使用するGPUに迷っている方は、「動画編集向けGPUの選び方」も参考にしてください。
750W電源がおすすめの人
750W電源はミドルクラスからミドルハイクラスまでの構成に向いています。
具体的には、次のようなGPUを搭載する場合に適しています。
- GeForce RTX 5060
- GeForce RTX 5060 Ti
- GeForce RTX 5070
- Radeon RX 9070
- Radeon RX 9070 XT
RTX 5060 TiやRTX 5070であれば、750Wでも十分な余裕があります。
RX 9070 XTもAMDの推奨最低電源容量が750Wなので、標準的なCPUと組み合わせるのであれば750Wで問題ありません。
750W電源のメリット
750W電源は850Wや1000Wより価格を抑えやすく、一般的なゲーミングPCには十分な容量があります。
Core Ultra 5・Core Ultra 7・Ryzen 5・Ryzen 7と、RTX 5060 TiやRTX 5070を組み合わせる場合、1000W電源を選ぶ必要はほとんどありません。
また、同じ予算であれば、容量だけを大きくするよりも、信頼性の高い750W電源を選んだほうがよい場合があります。
たとえば、製品名が分からない1000W電源よりも、メーカーと型番が公開されているATX 3.1対応の750W電源を優先したほうが安心です。
750W電源のデメリット
RTX 5080以上へ交換する場合は、電源容量が不足する可能性があります。
将来的にハイエンドGPUへ交換する予定がある人は、最初から850Wを選んでおいたほうが、電源ユニットを交換する手間を減らせます。
ただし、「いつか交換するかもしれない」という理由だけで1000Wまで増やす必要はありません。
850W電源がおすすめの人
850W電源は、現在のBTOパソコンで最も使いやすい容量の一つです。
次のような構成に適しています。
- GeForce RTX 5070 Ti
- GeForce RTX 5080
- Radeon RX 9070 XT
- 高性能CPUとRTX 5070の組み合わせ
- 将来的にGPUをアップグレードする予定がある構成
RTX 5080の公式推奨電源容量は850Wです。RTX 5070 Tiは750Wが公式の目安ですが、Core Ultra 9やRyzen 9などの高性能CPUと組み合わせる場合は、850Wを選ぶことで余裕を確保できます。
850W電源は迷ったときの有力候補
750Wと850Wの価格差が小さい場合は、850Wを選ぶ価値があります。
特に次の条件に当てはまる人には850Wがおすすめです。
- RTX 5070 Tiを搭載する
- CPUとGPUの両方に高負荷をかける
- 動画編集や3DCGレンダリングを長時間行う
- 数年後にGPUを交換する可能性がある
- 静音性を重視している
電源容量に余裕があれば、常に最大出力付近で動作する状態を避けやすくなります。負荷が低ければ電源ファンの回転数を抑えられる製品もあるため、静音性の面でも有利になる可能性があります。
ただし、ファン制御は製品によって異なるため、「850Wなら必ず静かになる」というわけではありません。
RX 9070 XTは750Wと850Wのどちらがよい?
RX 9070 XTの公式推奨電源容量は750Wなので、標準構成であれば750Wで十分です。
一方、次のような構成では850Wを検討できます。
- Ryzen 9やCore Ultra 9を搭載する
- オーバークロック仕様のRX 9070 XTを搭載する
- ストレージや拡張カードを複数搭載する
- 将来的なGPU交換も考えている
- 750Wとの価格差が小さい
費用を抑えたい場合は750W、拡張性を重視する場合は850Wという選び方で問題ありません。
1000W電源がおすすめの人
1000W電源は、RTX 5090などの最上位GPUを搭載する構成に向いています。
RTX 5090はGPU単体のTotal Graphics Powerが575Wで、NVIDIAが示しているシステム電力要件は1000Wです。
そのため、RTX 5090搭載BTOパソコンでは、1000Wが実質的な最低ラインになることがあります。
1000W電源を選びたい構成
次のような構成では1000W電源が適しています。
- GeForce RTX 5090搭載PC
- 最上位CPUと最上位GPUの組み合わせ
- CPUやGPUをオーバークロックする
- 高性能な拡張カードを複数搭載する
- ストレージや冷却パーツを多数搭載する
- AI処理や3DCGレンダリングで長時間フル稼働させる
たとえば、Core Ultra 9 285Kは最大ターボ時の電力が250W、Ryzen 9 9950Xは標準TDPが170Wです。高性能CPUと消費電力の大きなGPUを組み合わせる場合は、ミドルクラス構成より大きな余裕が必要になります。
RTX 5080に1000W電源は必要?
通常のRTX 5080搭載PCであれば、基本的には850Wで十分です。
NVIDIAもRTX 5080の最小定格電力として850Wを案内しています。
ただし、次のような場合は1000Wを選択してもよいでしょう。
- 消費電力を引き上げたオーバークロックモデル
- Core Ultra 9やRyzen 9との組み合わせ
- CPUとGPUを同時に長時間フル稼働させる
- 将来的にRTX 5090クラスへ交換する
- 850Wとの価格差が小さい
一般的なゲーム用途でRTX 5080を使用するだけなら、1000Wは必須ではありません。
電源容量は大きいほど性能が上がるわけではない

750W電源から1000W電源へ変更しても、CPUやGPUの処理性能が直接上がるわけではありません。
電源容量は、パソコンが供給できる最大出力を表しています。
実際の消費電力は搭載しているパーツと処理負荷によって決まります。1000W電源を搭載したからといって、常に1000Wを消費するわけではありません。
たとえば、パソコン内部のパーツが400Wを必要としている場合、1000W電源でも基本的には400W相当と変換損失分をコンセントから使用します。
そのため、大容量電源に変更しただけで電気代が大幅に上がることはありません。
一方で、1000W電源は750W電源より本体価格が高くなる傾向があります。使用する予定のない容量に追加料金を払うより、CPU・GPU・メモリ・SSDなどに予算を回したほうが、体感性能を高めやすくなります。
電源容量には余裕を持たせたほうがよい理由
メーカー推奨電源容量と同じ容量を選べば基本的には動作しますが、構成によっては少し余裕を持たせたほうが安心です。
CPUの消費電力も加わる
GPUだけでなく、CPUも大きな電力を使用します。
特にCore Ultra 9やRyzen 9などの高性能CPUは、高負荷時の消費電力が大きくなるため、GPUの推奨電源容量だけでは余裕が少なくなる場合があります。
ゲームではGPUの負荷が中心になりますが、動画の書き出し、3DCGレンダリング、AI処理などでは、CPUとGPUの両方に高い負荷がかかることがあります。
GPUによっては瞬間的に消費電力が増える
GPUは、常に一定の電力を使用しているわけではありません。
処理内容によって負荷が大きく変化し、短時間だけ平均値を上回る電力を要求することがあります。
ATX 3.1の電源設計ガイドには、PCI Express拡張カードの一時的な電力変動を想定した項目が含まれています。
新しい高性能GPUを搭載する場合は、単に容量が大きいだけでなく、こうした電力変動を考慮した新しい規格の電源を選ぶことが重要です。
電源ユニットの経年劣化も考慮する
電源ユニットは長期間使用すると、内部部品の劣化によって新品時と同じ状態を維持できなくなる可能性があります。
購入時点で容量に余裕がまったくない構成よりも、ある程度余裕を持たせた構成のほうが、長期間使用しやすくなります。
ただし、必要容量の2倍を選ぶ必要はありません。750Wで十分な構成に1000Wを搭載するよりも、850W程度へ増やすほうが現実的です。
容量だけでなく電源の品質も確認する
BTOパソコンの電源選びでは、750W・850W・1000Wという容量だけで判断してはいけません。
同じ850W電源でも、電源規格、変換効率、保護回路、搭載されているケーブル、保証期間などが異なります。
ATX 3.1対応電源を優先する
RTX 50シリーズなどの新しいGPUを搭載する場合は、ATX 3.1対応電源を優先することをおすすめします。
Intelの電源設計ガイドでは、ATX 3.1に合わせた仕様として、PCIe拡張カードの電力変動や12V-2×6補助電源コネクタに関する項目が定められています。
特にRTX 5080やRTX 5090などを搭載する場合は、次の点を確認してください。
- ATX 3.1対応
- PCIe 5.x対応
- 12V-2×6ケーブルを標準搭載
- GPUに必要な出力のケーブルを搭載
- GPUメーカーが指定する容量を満たしている
変換アダプターでも接続できる場合がありますが、BTOパソコンを新しく購入するのであれば、電源からGPUへ直接接続できるネイティブケーブルを備えた製品が扱いやすいでしょう。
80 PLUS Goldは容量ではなく変換効率の規格
BTOパソコンの構成表には、「850W 80 PLUS Gold」などと記載されていることがあります。
80 PLUSは、電源ユニットの変換効率を示す認証です。Standard、Bronze、Silver、Gold、Platinum、Titaniumなどの段階があり、上位になるほど一定負荷での変換効率が高くなります。
ただし、80 PLUS認証は主に変換効率を評価するものです。
80 PLUS Goldだから、すべての部品品質や耐久性が必ず優れているとは限りません。
電源を選ぶときは、認証だけでなく次の項目も確認してください。
- 電源メーカー
- 正確な製品型番
- ATX規格
- 保護回路
- 保証期間
- 12V-2×6ケーブルの有無
- BTOショップの標準保証
一般的なBTOパソコンでは、80 PLUS Goldの電源を選べば効率面では十分です。Platinumへ変更してもパソコンの性能は上がらないため価格差が大きい場合は無理に変更する必要はありません。
メーカーや型番が書かれている電源を選ぶ

BTOショップによっては、電源ユニットのメーカーや型番が公開されていないことがあります。
「850W 80 PLUS Gold」のように容量と認証しか書かれていない場合、実際に搭載される製品を購入前に判断できません。
可能であれば、次のように製品情報が公開されている構成を選びましょう。
- メーカー名
- 製品名・型番
- ATX 3.1対応の有無
- 12V-2×6ケーブルの有無
- 保証期間
メーカーや型番が非公開だから必ず品質が低いとは限りませんが、製品情報が公開されているほうが、仕様や評判を確認しやすくなります。
電源メーカーや製品型番まで指定したい方には、カスタマイズ範囲が広いサイコムも向いています。
750Wから850Wへ変更する価値はある?
次の条件に当てはまる場合は、750Wから850Wへ変更する価値があります。
- RTX 5070 Tiを搭載している
- RX 9070 XTを搭載している
- Core Ultra 9やRyzen 9を搭載している
- CPUとGPUを同時に使用する作業が多い
- 将来的にGPUを交換する予定がある
- 価格差が数千円程度に収まっている
一方、RTX 5060やRTX 5060 Tiを搭載するだけで、GPUを交換する予定もない場合は、750Wで十分です。
電源容量を850Wへ増やすことで直接性能が上がるわけではないため、予算が限られている場合はメモリやSSDを優先したほうがよいでしょう。
850Wから1000Wへ変更する価値はある?
RTX 5090を搭載する場合は1000Wが必要になりますが、RTX 5070 TiやRTX 5080では必須ではありません。
次の条件に当てはまる場合は1000Wを検討できます。
- RTX 5090を搭載する
- 将来的に最上位GPUへ交換する
- GPUが高消費電力のオーバークロックモデル
- CPUとGPUの電力制限を引き上げる
- 多数の拡張パーツを搭載する
反対に、RTX 5070やRX 9070 XTを搭載する一般的な構成であれば、1000W電源は過剰になりやすいです。
BTOパソコンの電源容量に関するよくある質問
1000W電源は常に1000W消費する?
1000Wは電源ユニットが供給できる最大容量です。
実際に使用する電力は、CPUやGPUなどのパーツが必要としている電力によって変わります。そのため、1000W電源を搭載しても、常に1000Wを消費するわけではありません。
電源容量が不足するとどうなる?
電源容量が不足すると、高負荷時にパソコンが再起動したり、電源が落ちたりする可能性があります。
ただし、突然電源が落ちる原因は電源容量だけとは限りません。電源ユニットの故障、GPUケーブルの接続不良、CPUやGPUの温度、メモリの不具合なども考えられます。
RTX 5070 Tiは750Wで大丈夫?
NVIDIAの公式推奨電源容量は750Wなので、標準的な構成であれば750Wで使用できます。
ただし、高性能CPUとの組み合わせや将来的なGPU交換を考える場合は、850Wを選ぶと余裕を持たせられます。
RTX 5080は850Wで大丈夫?
標準仕様のRTX 5080であれば、公式推奨容量である850Wが基本です。
オーバークロックモデルや高消費電力CPUと組み合わせる場合は、GPUメーカーやBTOショップの指定を確認してください。
電源はGoldとPlatinumのどちらがよい?
一般的なゲーミングPCやクリエイターPCであれば、80 PLUS Goldで十分です。
Platinumは変換効率が高くなりますが、価格差を回収できるとは限りません。長時間高負荷で稼働させるワークステーションや、変換効率を重視する場合に検討するとよいでしょう。
まとめ
BTOパソコンの電源容量は、搭載するGPUを基準に選びます。
| 構成 | おすすめ容量 |
|---|---|
| RTX 5060・RTX 5060 Ti | 750W |
| RTX 5070・RX 9070 | 750W |
| RTX 5070 Ti | 750W~850W |
| RX 9070 XT | 750W~850W |
| RTX 5080 | 850W |
| RTX 5090 | 1000W以上 |
一般的なゲーミングPCであれば750W、ハイエンド構成や将来のGPU交換まで考えるなら850Wがおすすめです。
1000W電源が必要になるのは、主にRTX 5090などの最上位GPUを搭載する場合です。
迷った場合は「RTX 5070までなら750W、RTX 5070 TiやRTX 5080なら850W、RTX 5090なら1000W」を基準にすると選びやすくなります。
ただし、電源は容量だけでなく品質も重要です。新しいGPUを搭載する場合は、ATX 3.1対応、12V-2×6ケーブルの有無、メーカーや型番、保証期間も確認して選びましょう。
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