Core UltraとRyzenの性能を比較!どのCPUがおすすめ?


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最終更新日:2024年12月30日

Core UltraとRyzenの違いとは

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Core Ultraシリーズとは

Core UltraとはIntel社の最新CPUです。

今まではCore i5、Core i7などの「Core iシリーズ」がIntel社の一般的なPC用CPUだったのですが、Core iシリーズは第14世代で終了しました。

そして新しいPC用CPUシリーズは「Coreシリーズ」、「Core Ultraシリーズ」に切り替わることになりました

その中でも性能の高いCPUシリーズがCore Ultraシリーズです。ゲームをしたい方や動画編集をしたい方などのCPUの処理速度が必要な方向けのシリーズとなっています。

現在出ているCore Ultraシリーズは「Core Ultra 9 285K」、「Core Ultra 7 265K/265KF」、「Core Ultra 5 245K/245KF」などのCore Ultra 200Sシリーズです。

Ryzenシリーズとは

RyzenシリーズとはAMD社のCPUシリーズです。

Ryzenシリーズは処理能力とコストパフォーマンスの高さが特徴的なシリーズです。

特に消費電力がIntel社のCPUよりも低いのにもかかわらずIntel社のCPUと同じくらいの性能が出せる、つまりワットパフォーマンスが高いということに定評があります。

また特にゲーム性能ではRyzen 7 9800X3D、などの「X3Dシリーズ」がインテルより性能が高く、ゲームをプレイしたい多くの方に人気があります。

RyzenはCPU業界では独占状態であるインテル社のライバル的存在であります。なので特にインテル社のCPUの価格が高いとき、価格と性能が見合っていないとき、不具合が発生したときなどに評価されるCPUであるとも言えます。

ソフトウェアの種類や動作の内容によってはIntel社のCPUよりも処理速度が上回ることもあるので、PCで使用したいソフトウェアや使用内容によってはRyzenを選んだほうがよいということがあります

Core UltraとRyzenの大きな違いはコアの構造

Core UltraシリーズCore Ultraのコア数RyzenシリーズRyzenのコア数
Core Ultra 9 285K8 Pコア + 16 EコアRyzen 9 9950X16コア
Ryzen 9 9900X12コア
Core Ultra 7 265K8 Pコア + 12 EコアRyzen 7 9700X8コア
Core Ultra 5 245K6 Pコア + 8 EコアRyzen 5 9600X6コア

コアの数とそれぞれの性能が違う

Core UltraとRyzenの大きな違いはコアの構造です。コアの数とそれぞれのコアの性能が違います。

Core Ultraシリーズには2種類のコアが搭載されている

Core UltraシリーズにはP-Core、E-Coreという2種類の性能のコアが搭載されています。それぞれのコアの違いは、性能の高いPコア、性能は低いが数が多く効率性の高いEコアとなっています。

PCは様々なソフトが同時に複数の動作を実行しています。CPUは複数に同時の作業をするのが苦手です。

CPUは一つのコアで一つの処理しかできません。例えば文章を表示したり、画像を表示したり、音を出したり、通信をしたりなど同時にできているように見えるのは、ものすごく高速に並行してやっているので同時に処理できているように見えているのです。

なので主要な処理、重たい処理をPコアに任せている間、あまり重要ではない処理をEコアに任せることによってPコアの処理を邪魔せずに集中させることで処理の効率を高くしていることになります。

Ryzenシリーズは全部同じ性能のコアのみが搭載

一方でRyzenシリーズは全部同じ性能のコアのみが搭載されています。ただし全てが性能が高いコアとなっているので処理速度は低いというわけではありません。

特にRyzen 9はとても性能の高いコアが12コア、16コア搭載されていて、その全てのコアを使ってフルパワーで高速に処理できるということになります。

なのでフルパワーの処理が必要なエンコード処理、モーショングラフィックス制作などに向いています。

Core Ultra 9は性能の高いPコアが8基、性能の低いEコア16基の合計24コア、Ryzen 9は性能の高いコアが12コア(Ryzen 9 9900X)または16コア(Ryzen 9 9950X)です。

そのどちらがいいかというのはソフトの種類、処理内容、パソコンの使い方などによって変わります。

Core UltraとRyzenの性能を比較

white and green hard disk drive

PassMarkスコア

🔽 CPUの性能一覧(クリック・タップで見る)
性能
(スコア)
第14世代Core iCore Ultra 200SRyzen 7000Ryzen 9000その他
(ノートPC用など)
67000Core Ultra 9 285KRyzen 9 9950X
65000Core i9-14900KS
64000Ryzen 9 7950X
Ryzen 9 7950X3D
61000Core i9-14900K
59000Core Ultra 7 265K
55000Core i9-14900Ryzen 9 9900XRyzen 9 7945HX
53000Core i7-14700K
52000Ryzen 9 7900X
Ryzen 9 7900X3D
50000Ryzen 9 7900
46000Core i7-14700Core i9-14900HX
45000Core i9-13900HX
43000Core Ultra 5 245K
40000Core i5-14600KRyzen 7 9800X3DApple M3 Max
38000Core i5-14600Ryzen 7 9700X
37000Ryzen 7 7800X3D
Ryzen 7 7700X
Core i7-14700HX
35000Core i5-14500Ryzen 7 7700Core i7-13700HX
32000Ryzen 7 7745HX
30000Core i5-14400Ryzen 5 9600XCore i9-13900H
29000Core Ultra 9 185H
28000Ryzen 5 7600XCore Ultra 7 165H
27000Ryzen 5 7600Core i7-13700H
26000Apple M3 Pro
20000Apple M3
15000Apple M2

PassMark社によるベンチマークはCPUの総合的な処理能力を計測し、その処理能力をスコア化しています。

そのベンチマーク結果であるPassMarkスコアでは、大体Core UltraのほうがRyzenよりも優位に見えます。

ですが例えば「Core Ultra 9 285K」と「Ryzen 9 9950X」のスコアほぼ同じとなっていますが、この2つは価格もほぼ同じです。

その他も「Core Ultra 7 265K」は「Ryzen 7 9700X」よりも価格が高いなど、価格的には「Core Ultra > Ryzen 9000」となっているので、コストパフォーマンス(価格あたりの性能)を考える価格と性能はだいたい一致しています

また、重要なのはソフトで実際に処理能力が高いかどうかです。近年のCPUは複雑になっており、全てのソフトのすべての処理でスコア通りに処理速度が一致するというわけではありません。

PassMarkスコアも他のベンチマークでも1つの指標に過ぎません。

以下実際にソフト上でどれだけ違うかを見ていきます。

Adobe Photoshop:定番の画像編集、イラスト制作ソフト

「Photoshop」はAdobe社の定番の画像編集、イラスト制作、写真編集ソフトです。

Puget Systems社によるベンチマークによると、PhotoshopではRyzenのほうが全体的に優位となっています。

こちらのベンチマークの場合スコア的にはRyzen 5がCore Ultra 9を上回っているという結果になっており、はっきり優位性が見えます。

ここまで差が大きいことは珍しいです。

Adobe Premiere Pro:定番の動画編集ソフト

「Premiere Pro」はAdobe社の動画編集ソフトです。

Puget Systems社によるベンチマークによると、Adobe Premiere ProではCore Ultraのほうが全体的に優位となっています。

こちらのベンチマークの場合スコア的にはCore Ultra 7がRyzen 9を上回っていて優位性が見えます。

Adobe社のソフトウェアは全体的にIntel社のCPUが優位になることのほうが多いです。

Adobe After Effects:VFX・モーショングラフィックス制作ソフト

「Adobe After Effects」はAdobe社の動画編集、モーショングラフィックス制作ソフトです。

Puget Systems社によるベンチマークによると、Adobe After EffectsではCore Ultraのほうが優位となっています。

こちらのベンチマークの場合スコア的にはCore Ultra 9 285KがRyzen 9 9950Xを大きくスコアを伸ばしています。それ以下は順当と言った感じでしょう。

Adobe After EffectsにはCore Ultra 9 285KやRyzen 9 9950Xのどちらもおすすめです。

DaVinci Resolve Studio:動画編集・VFX制作ソフト

「DaVinci Resolve Studio」は動画編集、モーショングラフィックス制作ソフトです。

こちらのベンチマークの場合スコア的にはRyzen 9 9950XがCore Ultra 9 285Kよりもスコアを伸ばしています。

ただしそれ以下はCore Ultra 7 265KがRyzen 9 9900XとほぼおなじスコアになっているなどCore Ultraに若干優位性が見えます。

全体的に差が小さいので、Core Ultra、Ryzenのどちらを買っても問題ないでしょう。

Blender:3D・CG製作、VFX制作ソフト

「Blender」は3D・CG製作、VFX制作、動画編集ソフトウェアです。

こちらのベンチマークの場合スコア的にはRyzen 9 9950XがCore Ultra 9 285Kよりもスコアを伸ばしています。

ただしその次がCore Ultra 7 265K、その次がRyzen 9 9900Xと変則的なスコアになっています。おそらくコアの構造の違いがこの結果につながっているのでしょう。

このようにベンチマークスコアによって結果が様々になるということがわかります。

CPUの選び方

a close up of a cpu chip on a motherboard

比較結果から判断すると

CPUおすすめな方
Core Ultra 9 285KPCの動作を高速化、安定化させたい方
After Effectsを使用したい方
Ryzen 9 9950X
Ryzen 9 9900X
PCの動作を高速化、安定化させたい方
3D・CG系、VFX・モーショングラフィックス制作をしたい方
Core Ultra 7 265K動画編集をしたい方
特にPremiere Proを使用したい方におすすめ
ゲーム配信をしたい方
Ryzen 7 9800X3Dゲームを高解像度・高フレームレートでプレイしたい方
特にゲーム配信をしたい方におすすめ
Ryzen 7 9700X動画編集をしたい方
ゲーム配信をしたい方
Core Ultra 5 245Kゲームをプレイしたい方
イラスト制作、画像編集をしたい方
特にPhotoshop、Lightroomを使用したい方
Ryzen 5 9600Xゲームをプレイしたい方
イラスト制作、画像編集をしたい方

やはりAdobe社製のソフトウェアはCore Ultraシリーズに、3D・CG・VFX・モーショングラフィックス系はRyzenシリーズに優位性があるように見えます。

Adobe社製のソフトを使うと決めている方はCore Ultraシリーズがおすすめでしょう。ただしPhotoshopの場合Ryzenのスコアが高かったので、Photoshopだけしか使わないという方はRyzenも選択肢になるでしょう。

また3D・CG系、VFX・モーショングラフィックス制作をしたい方はRyzenシリーズがおすすめでしょう。ただしAfter Effectsの場合、Core Ultraに優位性があるのでCore Ultraがおすすめです。

特にモーショングラフィックス制作はRyzen 9などのハイスペックなCPUが必要です。性能の高いRyzen 9 9950Xなどがおすすめです。

ゲームを高解像度・高フレームレートでプレイしたい方はRyzen 7 9800X3DなどのX3Dシリーズがおすすめです。

その他の場合は性能とコスパを考えるとどちらでもいいということになるでしょう。

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