BTOパソコンのケースファンは何基必要?

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最終更新日:2026年8月9日

BTOパソコンを選んでいると、仕様欄に「ケースファン1基」「前面3基・背面1基」などと書かれていることがあります。カスタマイズ画面でファンを追加できるモデルもありますが、何基あれば十分なのかは分かりにくい部分です。

結論からいえば、一般的なゲーミングPCは前面吸気2基+背面排気1基の合計3基、高性能GPUを搭載する構成は4~5基が目安です。

ただし、6基あれば必ず3基より冷えるわけではありません。前面がガラスで吸気口が狭いケースにファンを増やしても、十分な空気を取り込めないことがあります。反対に、通気性の高いメッシュケースと大口径ファンを組み合わせていれば、少ないファンでも冷却できる場合があります。

この記事では、単純なファン数だけでなく、CPU・GPUの発熱、ケースの構造、負荷をかける時間まで含めて、BTOパソコンに必要なケースファンの数と配置を解説します。

BTOパソコンのケースファンは何基必要?先に目安を比較

ケースファンは、事務作業中心なら1~2基、一般的なゲーミングPCなら3基、高性能なゲーミングPCやクリエイターPCなら4~5基を基準に考えます。

PCの用途・構成ケースファンの目安基本配置購入時の判断
Web・Office・動画視聴1~2基背面排気1基、または前面吸気1基+背面排気1基内蔵GPUなら標準のままでも対応しやすい
軽い画像編集・エントリーGPU2~3基前面吸気1~2基+背面排気1基独立GPUを載せるなら前面吸気を確認
一般的なゲーミングPC3基前面吸気2基+背面排気1基最も基準にしやすい構成
高性能ゲーミングPC・動画編集4~5基前面吸気2~3基+背面排気1基+上面後方排気1基長時間負荷なら増設価値が高い
最上位GPU・長時間レンダリング5~6基前面・側面・底面から吸気し、背面・上面から排気ケースごとの推奨配置を優先

この表は120mmファンを中心にした目安です。140mmファンを2基搭載する通気性の高いケースなら、120mmファン3基に近い冷却余力を確保できることもあります。また、簡易水冷のラジエーターファンは商品仕様上「ケースファン」に含まれないことがありますが、実際には吸気または排気の役割を持ちます。

CPUクーラーも含めた冷却構成を選びたい方は、「BTOパソコンのCPUクーラーは標準で十分?空冷・240mm・360mmを比較」も参考にしてください。

ケースファンの役割は「冷やす」より「熱を運ぶ」こと

ケースファンの主な役割は、CPUやGPUを直接冷やすことではなく、外の冷たい空気を取り込み、パーツから出た熱をケース外へ運ぶことです。

CPUにはCPUクーラー、GPUにはGPUファンが付いています。しかし、これらがケース内の暖かい空気を繰り返し吸い込む状態になると、クーラー単体の性能が高くても温度を下げにくくなります。

ケースファンには、次の2つの役割があります。

  • 吸気ファン:ケース外の空気を内部へ取り込む
  • 排気ファン:CPUやGPUから出た熱をケース外へ排出する

Noctuaの「公式エアフローガイド」でも、吸気と排気の役割を分け、ケース内に一方向の空気の流れを作る考え方が示されています。

吸気ファンがないとGPUへ新鮮な空気が届きにくい

独立GPUを搭載するBTOパソコンでは、背面排気だけでなく、前面または側面からGPU付近へ外気を送る吸気ファンが重要です。

背面ファン1基だけでもケース内の空気は動きますが、吸気口が狭いケースでは、GPUまで十分な空気が届かないことがあります。特に大型GPUはケース内で多くの熱を放出するため、前面下側または側面の吸気ファンが効果を発揮しやすくなります。

排気ファンがないと暖かい空気が滞留しやすい

吸気ファンだけを増やすのではなく、背面または上面後方に排気経路を確保することが重要です。

一般的なタワー型PCでは、前面から吸気し、背面へ排気する流れが基本です。暖かい空気は上へ移動しやすいため、上面後方の排気ファンもCPUクーラーやVRM周辺の熱を逃がすのに役立ちます。

ただし、上面の前方に排気ファンを付けると、前面上側から入った空気がCPUクーラーへ届く前に外へ出る場合があります。空いている場所をすべて排気にすればよいわけではありません。

CPUクーラー・GPUファンだけでは代用できない

CPUクーラーとGPUファンはパーツ付近の熱を移動させますが、ケース外まで排熱する経路はケースファンが作ります。

高性能なCPUクーラーへ変更しても、ケース内の空気が暖かければ冷却効率は上がりにくくなります。冷却は「CPUクーラーだけ」「ケースファンだけ」で考えず、外気の入口から熱気の出口までを一つの経路として確認しましょう。

必要なファン数を決める3つの条件

BTOパソコンのファン数は、①GPUがケース内へ出す熱、②高負荷が続く時間、③ケースの吸気抵抗の3条件で決めると判断しやすくなります。

CPU名だけで必要数を決める方法では、ゲーム用PCとCPUレンダリング用PCの違いを説明できません。また、同じCPU・GPUでも、前面メッシュのミドルタワーと吸気口の狭いミニタワーでは必要なファン数が変わります。

条件1:GPUの発熱が大きいほど吸気を増やす

ゲーミングPCでは、CPUよりもGPUがケース内の主な熱源になることが多いため、GPUのクラスを基準に吸気ファンを増やします。

GeForce RTX 5060・5060 TiやRadeon RX 9060 XTクラスなら、通気性の高いミドルタワーで3基を基準にできます。RTX 5070 Ti・5080、Radeon RX 9070 XTなどの高性能GPUでは、ケースの構造に応じて4~5基を検討したいところです。RTX 5090のような最上位GPUでは、搭載できるというだけでなく、GPU下側へ外気を届けられるかまで確認してください。

ただし、同じGPU名でもメーカー独自モデルによって消費電力、クーラーの大きさ、排熱方向が異なります。GPU名だけで一律に決めず、BTOメーカーが採用するケースとの組み合わせも見ます。

条件2:高負荷が長く続くなら排気を増やす

短時間のゲームより、動画エンコード、3DCGレンダリング、AI処理などを数十分~数時間続ける用途のほうが、ケースの排熱余力を必要とします。

起動直後のベンチマークでは問題がなくても、ケース内に熱が蓄積するとCPU・GPUファンの回転数が上がり、騒音が大きくなることがあります。毎日長時間処理するクリエイターPCでは、上面後方の排気を追加する価値が高くなります。

条件3:吸気口が狭いケースはファン数だけで解決しない

前面メッシュのケースは少ない回転数でも空気を取り込みやすく、前面ガラスや密閉型ケースは吸気口の位置と広さが冷却性能を左右します。

前面がガラスでも、側面に広い吸気口があり、側面ファンからGPUへ空気を送れるケースなら冷却しやすい場合があります。反対に、ファンが3基見えていても、その前がほぼふさがれていれば十分な風量を確保できないことがあります。

ケースサイズと冷却性の違いは、「ミニタワーとミドルタワーはどちらがよい?違いと選び方を解説」で詳しく解説しています。

用途・構成別に必要なケースファンの数

必要数は「PCが動作する最低限」ではなく、長時間使ったときの温度と騒音に余裕を持たせる基準で考えることが大切です。

Web・Office・動画視聴:1~2基

CPU内蔵グラフィックスを使う事務用PCなら、背面排気1基でも対応できることが多く、静音性を求めるなら前面吸気を1基追加します。

Web閲覧、文書作成、動画視聴では、CPUとGPUへ長時間高い負荷がかかりにくいため、多数のケースファンは必要ありません。発熱の少ない構成に5~6基のファンを付けても、実用上の差は小さくなりやすいでしょう。

ただし、小型ケースに高性能CPUを搭載する場合や、夏場に室温が高くなる部屋で使う場合は、前面吸気1基+背面排気1基の2基構成が安心です。

軽い画像編集・エントリーGPU:2~3基

独立GPUを搭載するなら、最低でも前面吸気1基+背面排気1基を確保し、ケースが小さい場合は吸気をもう1基追加すると安定しやすくなります。

Photoshop、Illustrator、軽い動画編集などでは、常にGPU使用率が100%になるとは限りません。通気性の高いケースなら2基でも使えますが、静音性や夏場の余裕まで考えるなら3基が選びやすい構成です。

一般的なゲーミングPC:3基

ミドルクラスGPUを搭載するゲーミングPCは、前面吸気2基+背面排気1基の3基構成を基準にしてください。

前面の上側と下側から空気を入れることで、CPUクーラーとGPUの両方へ外気を届けやすくなります。Noctuaの「公式配置ガイド」でも、3基の場合は前面吸気2基+背面排気1基が基本構成として示されています。

3基は、冷却性能、騒音、価格のバランスを取りやすい構成です。BTOの商品ページでケースファンが背面1基しか確認できない場合は、前面ファンを追加できるか確認しましょう。

高性能ゲーミングPC・動画編集PC:4~5基

高性能GPUを搭載するPCや長時間の動画書き出しを行うPCでは、前面吸気を2~3基確保し、背面または上面後方から排気する4~5基構成が目安です。

120mmファンを使う一般的なミドルタワーなら、前面3基+背面1基の4基構成、または前面3基+背面1基+上面後方1基の5基構成が考えられます。前面に140mmファンを2基搭載できるケースでは、前面2基+背面1基+上面後方1基でもバランスを取りやすくなります。

長時間のゲーム、4K動画編集、ゲーム配信、GPUレンダリングでは、最高温度だけでなく、ファンの回転数を抑えられるかも重要です。複数のファンを低回転で動かせれば、少数のファンを高回転で動かすより静かになる場合があります。

最上位GPU・長時間レンダリング:5~6基

最上位GPUを長時間使用する構成では5~6基が候補になりますが、空きスロットを無条件ですべて埋めるのではなく、ケースメーカーの推奨配置を優先してください。

前面または側面に3基の吸気、背面に1基の排気、上面後方に1~2基の排気を置く構成が一般的です。ピラーレスケースでは、側面と底面から吸気し、上面と背面から排気する構成もあります。

NoctuaがFractal Design Northで11通りの構成を比較した検証では、6基構成が最良だった一方、前面吸気2基+背面排気1基の3基構成でも明確な改善が確認されています。この結果からも、ファンを増やす価値はあるものの、最適な数と向きはケースごとに異なると分かります。

ケースファンのおすすめ配置

迷った場合は「前面・側面・底面から吸気し、背面・上面後方から排気する」という一方向の流れを作ります。

ファン数おすすめ配置向いている構成
1基背面排気1基内蔵GPU・低発熱PC
2基前面吸気1基+背面排気1基普段使い・軽量構成
3基前面吸気2基+背面排気1基一般的なゲーミングPC
4基前面吸気3基+背面排気1基、または前面吸気2基+背面・上面後方排気高性能ゲーミングPC
5基前面吸気3基+背面排気1基+上面後方排気1基高性能GPU・長時間作業
6基以上側面・底面吸気も含めてケース設計に合わせる最上位構成・大型ケース

1基なら背面排気を優先する

ケースファンを1基だけ付けるなら、CPUクーラー付近の熱を外へ出しやすい背面排気が基本です。

ただし、独立GPUを搭載する構成で1基だけでは冷却余力が小さくなります。ゲーミングPCの商品写真で背面にしかファンが見当たらない場合は、仕様表やメーカーへの問い合わせで前面ファンの有無を確認してください。

3基なら前面吸気2基+背面排気1基

3基構成は、上側の吸気でCPUクーラー、下側の吸気でGPUへ空気を届け、背面からまとめて排気できることが利点です。

前面ファンの位置を調整できる場合は、2基を上側へ寄せすぎず、1基がGPUの高さに合うように配置します。GPU下側に電源シュラウドがあるケースでは、前面下側の風がどこへ流れるかも確認しましょう。

4~5基では上面後方の排気を追加する

前面吸気を十分に確保した後は、上面のうちCPUクーラーに近い後方へ排気ファンを追加するのが基本です。

上面前方まで排気にすると、前面上側から入った新鮮な空気を早く外へ逃がす場合があります。特にサイドフロー型CPUクーラーでは、前から後ろへ進む空気の流れを妨げない配置が重要です。

ピラーレスケースは側面・底面吸気を確認する

前面がガラスのピラーレスケースは、側面と底面が吸気、上面と背面が排気になっているかを確認してください。

前面にファンがないから冷却できないとは限りません。側面からCPUクーラーやラジエーターへ、底面からGPUへ空気を送る設計なら、前面吸気型とは異なる経路で冷却できます。商品写真のファン数だけでなく、矢印図やケースの製品仕様を見ることが大切です。

簡易水冷のラジエーターファンはケースファンに数える?

仕様上は別項目でも、ラジエーターファンはケースの吸気または排気を担うため、エアフローを考えるときは総ファン構成に含めます。

例えば、上面に360mm簡易水冷を搭載したBTOパソコンでは、ラジエーターファン3基が上面排気を担当することがあります。この場合、ケースファンが「前面3基+背面1基」と書かれていれば、実際に回転しているファンはCPUクーラー側を含めて7基です。

一方、BTOメーカーによって表記方法は異なります。次のファンは区別して確認してください。

  • ケース付属または追加の吸排気ファン
  • 空冷CPUクーラーのファン
  • 簡易水冷ラジエーターのファン
  • GPUに搭載されたファン
  • 電源ユニットのファン

上面ラジエーターは排気にすることが多い

上面に簡易水冷ラジエーターを配置する場合は、前面または側面から吸気し、ラジエーターを通して上面へ排気する構成が分かりやすい組み合わせです。

この配置は、GPUから出た熱を含むケース内の空気がラジエーターを通るため、CPU温度だけを最優先する配置ではありません。一方で、前面からGPUへ外気を送りやすく、ケース全体の流れを作りやすいことがメリットです。

前面ラジエーターは吸気にすることが多い

前面ラジエーターを吸気にするとCPUへ冷たい外気を当てやすい一方、ラジエーターを通過した暖かい空気がGPUへ流れる可能性があります。

CPU温度を優先するか、GPU温度を優先するかで適した配置が変わります。Noctuaの公式ガイドでも、前面・側面吸気はCPU温度、上面排気はGPU温度を優先しやすい配置として説明されています。BTOパソコンでは取り付け位置が固定されていることが多いため、購入時に商品写真と構成図を確認しましょう。

120mmと140mmは同じ1基でも冷却性能が違う

ファン数が同じなら、大きな羽根で低回転でも風量を確保しやすい140mmファンのほうが、冷却と静音を両立しやすい傾向があります。

Noctuaも、取り付け可能な範囲で大きなファンを選ぶことを推奨し、大型ファンは低い回転数で多くの空気を動かしやすいと説明しています。ただし、120mmでも高性能な製品があり、厚み、羽根の形状、最大回転数、静圧によって性能は変わります。

比較項目120mmファン140mmファン
対応ケース多いケースによって制限あり
搭載数前面3基などを組みやすい前面2基などが多い
低回転時の風量製品による確保しやすい傾向
静音性高品質品なら静か低回転で使いやすい
選択肢非常に多い120mmより少なめ

「4基だから2基より上」と単純に比較せず、ファンサイズ、前面パネル、回転数制御まで確認してください。

吸気と排気のバランスは吸気をやや多めにする

ダストフィルターのある吸気口から空気を取り込みやすくするため、吸気側の実効風量を排気側と同程度か、やや多めにする構成が扱いやすいでしょう。

吸気が強い状態は正圧、排気が強い状態は負圧と呼ばれます。負圧が強すぎると、背面の隙間や拡張スロットなど、フィルターのない場所からほこりを吸い込みやすくなる場合があります。

ただし、「吸気3基・排気2基なら必ず正圧」とは限りません。前面フィルターやメッシュによる抵抗、ファンサイズ、回転数、ラジエーターの有無で実際の風量が変わるためです。ファンの基数だけでなく、PWM制御で吸気と排気の回転数を調整できるかも確認しましょう。

ケースファンが多いほど静かになるとは限らない

高品質なファンを低回転で使えば静音化しやすい一方、安価なファンを高回転で多数動かすと、風切り音やモーター音が増えることがあります。

ケースファンを増やすとCPU・GPUファンの回転数を下げやすくなるため、PC全体では静かになる場合があります。しかし、次の条件ではファンを増やしても騒音が改善しない可能性があります。

  • ファンが常に最大回転に近い設定になっている
  • 前面パネルの吸気口が狭い
  • 細かいメッシュやフィルターで吸気抵抗が大きい
  • ファンガード付近で乱流が発生している
  • 複数ファンの回転数が近く、うなり音が発生している
  • 簡易水冷のポンプ音やGPUのコイル鳴きが主な音源になっている

静音性を重視するなら、ファン数だけでなく「静音PCを比較!録音や配信で音が気になる方へ」も確認してください。

BTOパソコンの商品ページで確認する7項目

購入前は「何基付いているか」だけでなく、取り付け位置、向き、サイズ、前面パネル、制御方法まで確認してください。

  1. 標準搭載数:追加料金なしで何基付いているか
  2. 取り付け位置:前面・側面・底面・背面・上面のどこか
  3. 吸気と排気の向き:外気の入口と熱気の出口がつながっているか
  4. ファンサイズ:120mm・140mmなどの直径
  5. 前面・側面パネル:メッシュか、ガラスか、吸気口が広いか
  6. 回転数制御:PWM制御や静音モードに対応するか
  7. ラジエーターファンとの重複:ケースファン表記に簡易水冷側が含まれるか

仕様欄に「ケースファン」としか書かれていない場合は、商品写真だけで判断せず、メーカーへ搭載位置とファンサイズを問い合わせるのが確実です。RGBファンが多数見えても、見た目を重視した低回転ファンの場合があるため、LEDの数と冷却性能は分けて考えましょう。

BTO全体の構成をどこまで変更するか迷う方は、「BTOパソコンの標準構成はそのまま買ってよい?変更必須・不要な項目を判定」も参考にしてください。

BTOのケースファン増設を検討したい条件

標準が背面1基だけのゲーミングPC、高性能GPU搭載PC、長時間処理を行うPCでは、購入時のファン増設を優先的に検討してください。

独立GPU搭載なのに背面ファン1基しかない

独立GPUを搭載しながら吸気ファンがない構成は、前面吸気を1~2基追加する効果を期待しやすい条件です。

ケースの隙間から自然に空気を取り込むことはできますが、GPUの高さへ安定して外気を送れるとは限りません。ゲームを長時間遊ぶなら、少なくとも前面または側面の吸気ファンを確認しましょう。

高性能GPUを長時間使用する

WQHD・4Kゲーム、GPUレンダリング、AI処理を長時間行うなら、3基を最低基準として4~5基まで検討する価値があります。

高性能GPUは大量の熱をケース内へ放出します。GPUクーラーが大型でも、排熱がケース内に残ればファンが高回転になりやすいため、吸気と排気の両方を強化します。

小型ケースや吸気口の狭いケースを選ぶ

ミニタワーや密閉性の高い静音ケースでは、搭載可能数を増やすだけでなく、GPU付近へ空気が届く位置にファンを配置できるかを確認してください。

小型ケースは内部の空気量が少なく、パーツ同士の間隔も狭いため、熱がこもりやすい場合があります。ただし、全体がメッシュで短い経路を持つ小型ケースもあるため、サイズだけで冷却性能は決まりません。

夏場の室温が高い・壁際へ設置する

エアコンを使わない部屋や、PCの背面・上面を壁や机でふさぎやすい環境では、ファン数だけでなく設置スペースの確保が必要です。

ケースファンは室温より冷たい空気を作れません。室温が高いほどCPU・GPU温度も上がりやすくなります。また、排気口を壁へ密着させると、熱気を再び吸い込むことがあります。背面と上面の周囲には、排気を妨げない空間を確保してください。

ケースファンを追加しなくてもよい条件

内蔵GPU中心の低発熱構成、すでに3基以上を適切に配置したメッシュケース、温度と騒音に問題がないPCでは、無理に増設する必要はありません。

ケースファンは、増やしただけでゲームのフレームレートや動画の書き出し速度が必ず上がるパーツではありません。CPU・GPUが温度制限に達しておらず、ファンの騒音も気にならないなら、メモリやSSDへ予算を回したほうが実用性を高められる場合があります。

カスタマイズ予算の配分は、「BTOパソコンはどこをカスタマイズすべき?優先順位を解説」で比較しています。

購入後にエアフロー不足を判断する方法

購入後はCPU・GPUの温度だけでなく、同じ負荷をかけたときのファン回転数と騒音、サイドパネルを外した場合の変化を比較すると原因を切り分けやすくなります。

  1. 室温を記録する
  2. 同じゲームやレンダリングを15~30分実行する
  3. CPU・GPU温度、クロック、ファン回転数を記録する
  4. PCを停止してからサイドパネルを外す
  5. 同じ条件で再度測定し、温度と騒音を比較する

サイドパネルを外したときにCPU・GPU温度が5℃以上下がる、またはファン音が明らかに小さくなる場合は、ケースの吸排気がボトルネックになっている可能性があります。これは絶対的な基準ではありませんが、ケースファンの追加、配置変更、フィルター清掃を検討する材料になります。

サイドパネルを外したまま常用すると、ほこりや異物が入りやすくなり、設計された空気の流れも崩れるため、診断目的の短時間だけにしてください。

温度だけでケースファン不足と決めない

CPU温度が高い原因はCPUクーラー、グリス、電力設定にあり、GPU温度が高い原因はGPUクーラー自体にある可能性もあります。

サイドパネルを外しても温度がほとんど変わらない場合は、ケースファンよりCPUクーラーやGPU側の冷却が原因かもしれません。反対に、CPUとGPUの両方が大きく下がるなら、ケース内に熱がこもっていた可能性が高くなります。

ケースファン選びでよくある失敗

失敗を避けるには、基数、RGBの有無、最大回転数のどれか一つだけで選ばず、ケース全体の空気の流れを見ることが重要です。

RGBファンが多いほど冷えると考える

RGBは発光機能であり、ファンの風量、静圧、騒音、軸受けの品質を示すものではありません。

6基のRGBファンを搭載したPCでも、吸気口が狭い、回転数制御が粗い、ラジエーターやフィルターに適さないファンを使っている場合があります。デザインと冷却性能は別々に評価してください。

空いている上面をすべて排気ファンで埋める

上面前方の排気は、前面から入った空気をCPUクーラーへ届く前に排出することがあるため、最初は上面後方から追加します。

ケースとCPUクーラーの位置によっては、上面前方を吸気にしたほうがよい例もあります。しかし、向かい合うファン同士の風が衝突すると乱流や騒音の原因になるため、ケースメーカーの構成例を優先しましょう。

ケースファンだけを増やして前面パネルを確認しない

空気の入口が狭ければ、高回転ファンを追加しても風量が伸びにくく、騒音だけが増える場合があります。

同じCPU・GPUを搭載したBTOパソコンでも、ケースとケースファンの違いで温度や騒音は変わります。価格差の見方は、「同じCPU・GPUなのにBTOパソコンの価格が違う理由」も参考にしてください。

ファンの向きと制御方法を確認しない

追加ファンは取り付けただけでは不十分で、吸気・排気の向きと、温度に応じて回転数を変えられるかを確認する必要があります。

3ピンファンでも電圧制御できる場合がありますが、4ピンPWMファンのほうが細かな回転数制御を行いやすい傾向があります。多数のファンを搭載する場合は、マザーボードのファン端子数、分岐ケーブル、ファンハブの有無も確認してください。

BTOパソコンのケースファンに関するよくある質問

よくある疑問への結論は、3基が万能な最低数ではなく、低発熱PCは少なくてもよく、高性能構成は配置を見ながら増やすということです。

ケースファン3基で十分ですか?

前面吸気2基+背面排気1基で、通気性の高いミドルタワーなら、一般的なゲーミングPCは3基を基準にできます。

高性能GPU、長時間のレンダリング、小型ケース、吸気口の狭いケースでは4~5基を検討してください。反対に、内蔵GPUだけの事務用PCなら3基は必須ではありません。

ケースファンは多いほどよいですか?

多いほど最大冷却性能を高めやすいものの、増設するほど効果は小さくなりやすく、騒音や費用も増えるため、必要以上に付ける必要はありません。

まず吸気と排気を確保し、その後にGPUの発熱、負荷時間、ケース構造を見て追加します。ファンの品質と配置が悪ければ、基数が多くても十分に冷えないことがあります。

前面3基・背面1基は吸気が多すぎませんか?

前面フィルターによる抵抗があるため、3基対1基でも実際の吸気量が極端に多いとは限りません。

CPU・GPU温度とケース内部のほこりの入り方を確認し、必要に応じてファンカーブを調整します。上面後方へ排気を1基追加すると、5基構成として流れを整えやすくなります。

上面ファンは必要ですか?

3基構成で温度と騒音に問題がなければ必須ではありませんが、高性能構成や長時間負荷では上面後方の排気を追加する価値があります。

上面前方まで無条件に排気で埋める必要はありません。CPUクーラーと前面吸気の流れを見て判断してください。

購入後に自分でケースファンを追加できますか?

一般的な市販ケースを使うBTOなら追加できることが多いものの、取り付け穴、ファン端子、電源、保証条件を事前に確認してください。

独自設計ケースでは対応サイズや配線方法が限られる場合があります。また、自分で増設したパーツが原因の故障は保証対象外になる可能性があるため、作業に不安がある方は購入時のカスタマイズを利用するほうが安心です。

ケースファンのメーカーや型番が非公開でも買ってよいですか?

必要な基数と配置が確保され、PC全体に十分な保証が付くなら購入候補になりますが、静音性を重視する方は型番公開モデルのほうが比較しやすくなります。

型番が分からないと、最大回転数、風量、軸受け、交換時期を事前に判断しにくくなります。非公開モデルは価格と保証を含めて評価し、型番公開モデルは部品単位でも比較しましょう。

まとめ:一般的なゲーミングPCは3基を基準にする

BTOパソコンのケースファンは、一般的なゲーミングPCなら前面吸気2基+背面排気1基の3基、高性能GPUや長時間処理では4~5基を基準にしてください。

  • Web・Office・内蔵GPU:1~2基
  • 軽い画像編集・エントリーGPU:2~3基
  • 一般的なゲーミングPC:3基
  • 高性能ゲーミングPC・動画編集:4~5基
  • 最上位GPU・長時間レンダリング:5~6基

ただし、必要な数はファンの直径、ケースの吸気口、簡易水冷の配置、室温によって変わります。商品ページでは、基数だけでなく「どこから吸って、どこへ出すか」を確認することが重要です。

迷った場合は3基構成を出発点にし、GPUの発熱が大きい、高負荷が長い、吸気抵抗が大きいという条件が増えるごとに、前面・側面吸気または上面後方排気を追加すると判断しやすくなります。

関連ページ

BTOパソコンの冷却、ケース、カスタマイズをまとめて判断したい方は、以下の記事も参考にしてください。





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