CPUのコア数が多いと何が速くなる?用途別に必要なコア数を解説
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最終更新日:2026年7月27日
CPUを比較していると、「6コア」「8コア」「16コア」などの表記を目にします。
コア数が多いCPUほど高性能に見えますが、すべての作業がコア数に比例して速くなるわけではありません。インターネット閲覧や文書作成では違いを感じにくい一方、動画の書き出しや3DCGレンダリングでは、コア数によって処理時間が大きく変わることがあります。
この記事では、CPUのコア数が多いと何が速くなるのか、コア数があまり影響しない作業、用途別に必要なコア数の目安を解説します。
CPUのコア数が多いと複数の処理を同時に進めやすくなる

CPUのコアは実際に計算処理を行う部分です。
基本的にはCPUのコア数が多いほど、複数の処理を並行して進めやすくなります。
例えば、1人で作業するよりも、4人や8人で分担したほうが仕事を早く終えられます。CPUのコア数も同じようなもので、複数のコアに処理を振り分けられるソフトであれば、コア数が多いほど短時間で処理できます。
ただし、1つの作業を複数人に分けられない場合は、作業する人数を増やしても速くなりません。CPUも同様に、ソフト側がマルチコアに対応していなければ、コア数を増やしても性能はほとんど向上しません。
Windowsは複数の処理をスレッドとして管理し、利用できる論理プロセッサへ割り当てます。そのため、複数のアプリを同時に使用する場合にも、コア数の多いCPUが有利になります。
CPUを選ぶときは、コア数だけでなく、世代やクロック周波数、ベンチマークスコアも確認する必要があります。詳しくは「CPUの性能の調べ方」で解説しています。
CPUのコア数が多いと速くなる作業
コア数の多さが特に効果を発揮するのは、処理を細かく分割して複数のコアで同時に実行できる作業です。
| 作業 | コア数の効果 |
|---|---|
| 動画のエンコード・書き出し | 大きい |
| 3DCGのCPUレンダリング | 非常に大きい |
| After Effectsのレンダリング | 大きい |
| ゲーム配信・録画 | 大きい |
| ソフトウェアのコンパイル | 大きい |
| ファイルの圧縮・展開 | 比較的大きい |
| 複数アプリの同時使用 | 大きい |
| ゲーム単体 | タイトルによって異なる |
| Web閲覧・文書作成 | 小さい |
動画のエンコードや書き出し

動画編集では、編集画面の操作だけでなく、完成した動画のエンコードや書き出しにCPUが使用されます。
映像は多数のフレームで構成されているため、処理を複数のコアに分担させやすい作業です。そのため、同じ世代・同程度のコア性能を持つCPU同士であれば、基本的にはコア数が多いCPUほど書き出し時間を短縮できます。
AdobeはPremiereの推奨構成として、少なくとも8コアのCPUを挙げています。動画編集ではCPUだけでなく、GPUによるハードウェアアクセラレーションや、Intel Quick Syncなどの動画処理機能も性能に影響します。
ただし、動画の再生や書き出し速度は、次の要素にも左右されます。
- 使用するコーデック
- 解像度とフレームレート
- エフェクトの種類
- GPU性能
- ハードウェアエンコードへの対応
- メモリ容量
- ストレージ速度
単純にコア数だけで動画編集性能を判断するのではなく、CPUに搭載されている動画処理機能やGPUも確認する必要があります。
4K動画編集では、CPUのコア数だけでなく、GPU・メモリ・SSDも含めて構成を考える必要があります。詳しくは「4K動画編集に必要なPCスペック」で解説しています。
After Effectsのプレビューやレンダリング

「After Effects」には複数のフレームを同時に処理する「マルチフレームレンダリング」が搭載されています。
Adobeによると、After Effectsのレンダリング速度はCPUコア数、使用可能なメモリ容量、GPU性能などの影響を受けます。Adobeが公開している例では、4~6コアの最小構成に対し、8~10コアのミドルレンジ構成や16~64コアのハイエンド構成で、より大きな速度向上が示されています。
ただし、すべての処理がコア数に比例して速くなるわけではありません。
使用しているエフェクトやプラグイン、コンポジションの構造、メモリ容量によっては、コア数の多いCPUでも性能を十分に発揮できない場合があります。
After Effects用のパソコンでは、CPUのコア数だけでなく、十分なメモリ容量を確保することも重要です。
After EffectsではCPUのコア数だけでなく、メモリ容量やキャッシュ用SSDも重要です。具体的な構成は「After Effects向けPCのおすすめスペック」を参考にしてください。
3DCGのCPUレンダリング

BlenderなどでCPUレンダリングを行う場合は、コア数の多さが大きく影響します。
BlenderのCyclesでは、CPUレンダリングに使用するスレッド数を設定できます。自動検出に設定した場合は、パソコンの論理プロセッサ数に合わせてスレッド数が選択されます。
3DCGレンダリングは処理を複数の領域やサンプルに分割しやすいため、マルチコア性能を活用しやすい作業です。
ただし、現在のBlenderではGPUレンダリングも利用できます。対応GPUを使用したレンダリングのほうが速いケースも多いため、Blender用パソコンではCPUだけを高性能にするのではなく、GPUとのバランスを考える必要があります。Blenderの公式マニュアルでも、GPUは多数の計算を並列に処理でき、レンダリングを高速化できると説明されています。
BlenderではCPUレンダリングとGPUレンダリングで重視するパーツが異なります。用途別の構成は「BlenderにおすすめのBTOパソコン」で詳しく解説しています。
ゲームをしながら配信・録画する

ゲームだけを起動する場合よりも、ゲーム配信や録画を同時に行う場合のほうが、多くのCPUコアを使用します。
配信中には、次のような処理が同時に動作します。
- ゲームの処理
- 配信ソフト
- 映像や音声のエンコード
- ボイスチャット
- Webブラウザ
- コメント表示
- 録画ソフト
- セキュリティソフトなどのバックグラウンド処理
コア数に余裕があるCPUであれば、ゲームに必要な処理を行いながら、配信ソフトやバックグラウンドアプリの処理も進めやすくなります。
Intelのハイブリッド構成では、高負荷な処理を担当するPコアと、並列処理やバックグラウンド処理を担当しやすいEコアを組み合わせています。Intel Thread Directorは、処理の性質に応じて適切なコアへ割り当てるための情報をOSに提供します。
ただし、配信映像のエンコードにGPUのNVENCやCPU内蔵GPUのハードウェアエンコーダーを使用する場合は、CPUへの負荷を軽減できます。
ゲーム配信ではCPUだけでなく、GPUのエンコーダーやメモリ容量も配信の安定性に影響します。詳しくは「ゲーム配信に最適なPCスペック」で解説しています。
複数のアプリを同時に使用する

コア数が多いCPUは、1つの重い処理だけでなく、複数のアプリを同時に使用するときにも効果があります。
例えば、次のような使い方です。
- 動画を書き出しながらWebを閲覧する
- ゲームをしながら配信する
- PhotoshopとIllustratorを同時に使用する
- DTMソフトを使いながら動画を再生する
- 大量のファイルを圧縮しながら別の作業をする
Chromeなどのブラウザも、タブやWebサイトを複数のプロセスに分けて動作させています。そのため、多数のタブと複数のアプリを同時に開く使い方では、コア数の多いCPUが有利になることがあります。
ただし、ブラウザのタブを大量に開く場合は、CPUより先にメモリ容量が不足することもあります。動作が重い原因がメモリ不足であれば、CPUのコア数を増やしても解決しません。
プログラムのコンパイル

大規模なプログラムのコンパイルもコア数の多いCPUが有利になりやすい作業です。
複数のソースファイルを並行して処理できる開発環境では、CPUのスレッド数を活用してコンパイル時間を短縮できます。
小規模なWebサイト制作や簡単なプログラミングでは高コアCPUは必要ありませんが、大規模なソフトウェア開発、ゲーム開発、シェーダーコンパイルなどでは、CPU性能が作業時間に直結します。
コア数を増やしてもあまり速くならない作業
コア数が多いCPUは万能ではありません。
処理を複数のコアに分割しにくい作業では、コア数よりも1コアあたりの性能が重要になります。
Web閲覧や文書作成
Webサイトの閲覧、メール、WordやExcelを使った軽い作業では、6コアと16コアのCPUを比較しても、体感できるほどの差が出ないことがあります。
これらの用途ではCPUに高い負荷がかかり続けることが少なく、一般的な6コア前後のCPUでも十分な性能を持っています。
Webサイトやアプリの起動が遅い場合は、CPUのコア数ではなく、次の部分が原因になっている可能性があります。
- SSDではなくHDDを使用している
- メモリ容量が不足している
- バックグラウンドアプリが多い
- インターネット回線が遅い
- ソフト側の処理が重い
普段使い用パソコンでは、16コアCPUに予算を使うよりも、メモリを16GB以上にしたり、SSDを搭載したりするほうが快適になる場合があります。
ゲームのフレームレート
現在のゲームは複数のコアを利用しますが、コア数を増やせばフレームレートが同じ割合で上がるわけではありません。
ゲームでは、AI、物理演算、描画命令、音声、データ読み込みなどを複数のスレッドへ分けられます。一方で、ゲーム全体の進行を管理するメインスレッドなど、特定のスレッドの処理速度がボトルネックになることがあります。Unreal Engineにも複数のCPUコアを使って並列処理する仕組みがありますが、メインスレッドでしか実行できない処理も存在します。
そのためゲーム性能では、コア数だけでなく、次の項目も重要です。
- 1コアあたりの処理性能
- クロック周波数
- CPUキャッシュ容量
- メモリ性能
- GPU性能
- ゲーム側の最適化
ゲーム用CPUとしては、低性能なコアを多数搭載したCPUより、高性能なコアを十分に搭載したCPUのほうが高いフレームレートを出せる場合があります。
特にGPUへの負荷が高い4Kゲームでは、CPUを変更してもフレームレートがほとんど変わらないことがあります。
ゲームだけが目的なら、コア数の多い最上位CPUが必ずしも必要とは限りません。「ゲーミングPCにCore i9・Core Ultra 9・Ryzen 9は必要?」では、上位CPUが必要になるケースを詳しく解説しています。
アプリの起動時間
アプリの起動時間は、CPUのコア数だけで決まりません。
アプリのデータをSSDから読み込む時間や、初期化処理、セキュリティソフトによるチェックなどが関係します。
HDDを使用しているパソコンでは、高コアCPUへ交換するよりも、SSDへ変更したほうが起動時間を大きく短縮できる可能性があります。
コア数が2倍でも性能が2倍になるとは限らない

例えば、8コアCPUから16コアCPUに変更しても、すべての処理が2倍速くなるわけではありません。
主な理由は次のとおりです。
すべての処理を並列化できるわけではない
作業の一部を複数のコアへ分けられても、前の処理が完了するまで次の処理を開始できない場合があります。
また、複数のコアで処理した結果をまとめたり、データを受け渡したりするためにも時間がかかります。
そのため、コア数を増やすほど性能は向上しやすくなりますが、次第に性能の伸び幅は小さくなります。
コア数が多いと動作クロックが下がる場合がある
CPUには消費電力や発熱の上限があります。
すべてのコアを使用すると消費電力と発熱が増えるため、1~2コアだけを使用しているときよりも、CPU全体の動作クロックが低くなることがあります。
コア数の多いCPUを使用する場合は、CPUクーラーやケースの冷却性能も重要です。冷却が不十分な場合は、温度を抑えるためにCPUの動作クロックが下がり、本来の性能を発揮できない可能性があります。
CPU以外がボトルネックになる
CPUの処理が速くても、GPU、メモリ、SSDなどが遅ければ、CPUがデータを待つ時間が増えます。
例えば、次のようなケースです。
- ゲームではGPU性能が不足している
- 動画編集ではGPUやデコーダーがボトルネックになっている
- After Effectsではメモリ容量が不足している
- ファイル処理ではSSDの速度が不足している
- 3DCGではGPUレンダリングを使用している
パソコンは複数のパーツを組み合わせて動作するため、CPUのコア数だけを増やしても、全体の性能が上がるとは限りません。
コアとスレッドの違い
CPUの仕様には、コア数と一緒にスレッド数も記載されています。
コアは実際に処理を行う物理的な部分で、スレッドはOSから見える処理単位です。
AMDのSMTやIntelのHyper-Threadingに対応したCPUでは、1つの物理コアで2つのスレッドを同時に処理できます。例えば、8コア16スレッドのCPUは、8個の物理コアを搭載し、OSからは16個の論理プロセッサとして認識されます。AMDの資料でも、SMTによって1コアあたり2スレッドを同時に実行できると説明されています。
ただし、8コア16スレッドのCPUが16コアCPUと同じ性能になるわけではありません。
1つのコアにある処理能力を2つのスレッドで効率よく利用する仕組みなので、物理コアを2倍に増やす場合ほどの性能向上はありません。それでも、動画エンコードやレンダリングなどのマルチスレッド処理では、スレッド数の多さが性能向上につながります。
Intel CPUはPコアとEコアを区別して考える
近年のIntel CoreおよびCore Ultraには、PコアとEコアを組み合わせたCPUがあります。
- Pコア:1コアあたりの性能を重視したコア
- Eコア:電力効率と並列処理性能を重視したコア
Pコアは、ゲームのメインスレッドなど、1つの処理を高速に実行する必要がある場面に向いています。
Eコアは、バックグラウンド処理や多数の処理を同時に実行する場面に向いています。Intelの説明では、Pコアは負荷の高いシングルスレッド処理、Eコアは拡張しやすいマルチスレッド処理を想定しています。
そのため、「16コア」と記載されているCPU同士でも、PコアとEコアの内訳によって性能が異なります。
CPUを比較するときは、合計コア数だけでなく、次の項目を確認しましょう。
- Pコア数
- Eコア数
- 合計スレッド数
- 1コアあたりの性能
- 最大クロック
- キャッシュ容量
- 消費電力
Intel CPUとAMD CPUを比較するときも、コア数だけで単純に優劣を決めることはできません。
用途別に必要なCPUコア数の目安
必要なコア数は、使用するソフトや作業内容によって変わります。
以下は、一般的なパソコンを選ぶときのおおよその目安です。
| 用途 | コア数の目安 |
|---|---|
| Web閲覧・動画視聴・文書作成 | 4~6コア |
| 一般的な仕事・複数アプリの使用 | 6~8コア |
| ゲーム | 6~8コア以上 |
| ゲーム配信・録画 | 8~12コア以上 |
| Photoshop・Illustrator | 6~8コア以上 |
| DTM・音楽制作 | 8コア以上 |
| フルHD動画編集 | 8コア以上 |
| 4K動画編集 | 12コア以上 |
| After Effects | 12~16コア以上 |
| 3DCG・CPUレンダリング | 16コア以上 |
| 大規模なコンパイル・解析 | 16コア以上 |
この表は、同世代で1コアあたりの性能が近いCPUを想定した目安です。
古い16コアCPUより、新しい8コアCPUのほうが高性能な場合もあります。また、Intel CPUではPコアとEコアの内訳が異なるため、単純な合計コア数だけで判断しないようにしましょう。
4~6コアで十分な人
次のような用途であれば、4~6コアのCPUでも対応できます。
- Web閲覧
- YouTubeなどの動画視聴
- WordやExcel
- メール
- オンライン会議
- 軽い画像編集
- 軽量なゲーム
ただし、今後も長く使用するパソコンを購入するなら、最低限6コア程度あるCPUを選んだほうが余裕があります。
8コアがおすすめの人
8コアCPUは、性能と価格のバランスを取りやすい選択肢です。
- ゲーム
- Photoshop
- Illustrator
- DTM
- 軽~中程度の動画編集
- 複数アプリの同時使用
- 軽いゲーム配信
一般ユーザーやゲーマーの場合、コア数を12~16コアへ増やすよりも、8コア前後で1コアあたりの性能が高いCPUを選んだほうが、価格に対する満足度が高くなることがあります。
12コア以上がおすすめの人
12コア以上のCPUは、処理時間が作業効率や収益に影響するクリエイターに向いています。
- 4K動画編集
- After Effects
- ゲーム配信と録画
- 複数のクリエイティブソフトの同時使用
- 大規模なDTMプロジェクト
- プログラムのコンパイル
- 仮想マシンの使用
重い処理を実行しながら別の作業をしたい場合にも、コア数の多さが役立ちます。
16コア以上がおすすめの人
16コア以上のCPUが必要になるのは、主に業務用途です。
- 3DCGのCPUレンダリング
- 高負荷な映像制作
- 大規模なソフトウェア開発
- シミュレーション
- 複数の仮想マシン
- 大量のデータ処理
- 処理時間を少しでも短縮したい業務
Web閲覧やゲームが中心のユーザーが16コア以上のCPUを購入しても、価格差に見合う効果を感じられない可能性があります。
CPUはコア数だけで選ばない
CPUを選ぶときは、コア数だけでなく、次の項目を総合的に比較する必要があります。
- CPUの世代
- 1コアあたりの性能
- PコアとEコアの内訳
- スレッド数
- クロック周波数
- キャッシュ容量
- 消費電力
- 内蔵GPUと動画処理機能
- 実際に使用するソフトのベンチマーク
例えば、ゲームではコア数よりも1コアあたりの性能やキャッシュ容量が重要になる場合があります。一方、CPUレンダリングや動画エンコードでは、コア数の多いCPUが有利です。
CPUの性能は「作業員の人数」だけでなく、「作業員1人あたりの速さ」も含めて判断する必要があります。
CPU以外のパーツとのバランスも重要です。BTOパソコンを注文するときの予算配分については、「BTOパソコンはどこをカスタマイズすべき?」で解説しています。
まとめ
CPUのコア数が多いと、複数の処理を同時に進める性能が高くなります。
特に効果が大きいのは、動画の書き出し、After Effects、3DCGのCPUレンダリング、ゲーム配信、コンパイルなど、処理を複数のコアへ分割しやすい作業です。
一方、Web閲覧、文書作成、アプリの起動、ゲームの一部処理などは、コア数を増やしても大幅には速くなりません。
一般用途やゲームなら6~8コア、動画編集や配信なら8~12コア以上、After Effectsや3DCGなどの重い制作作業では12~16コア以上が目安です。
ただし、必要なCPUはコア数だけでは決まりません。1コアあたりの性能、CPUの世代、キャッシュ容量、GPU、メモリなども含めて、使用目的に合った構成を選びましょう。
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