BTOパソコンはなぜ安い?メーカー製PCとの違いをわかりやすく解説
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最終更新日:2026年7月23日
パソコンを探していると、大手メーカーのパソコンよりもBTOパソコンのほうが同じような性能でも安く販売されていることがあります。
特にゲーミングPCや動画編集向けPCでは、BTOパソコンとメーカー製PCの価格に数万円以上の差が付くことも珍しくありません。
あまりにも価格差が大きいと、次のように不安になる人もいるでしょう。
- 安いパーツが使われているのではないか
- 故障しやすいのではないか
- サポートが受けられないのではないか
- 初心者には扱いにくいのではないか
BTOパソコンが安いのは、単純に品質が低いからではありません。受注生産や販売方法、付属ソフト、パーツ構成などに違いがあるため、価格を抑えやすくなっています。
この記事では、BTOパソコンが安い理由と、一般的なメーカー製PCとの違いを解説します。
BTOパソコンとは
BTOとは「Build To Order」の略で、日本語では「受注生産」という意味です。
購入者が注文した後に、その構成に合わせてパソコンを組み立てます。CPUやメモリ、SSD、グラフィックボードなどを、用途や予算に合わせて変更できるのが特徴です。
マウスコンピューターやツクモなども、BTOパソコンを注文後に生産する受注生産品として案内しています。
ただし、BTOメーカーもパソコンメーカーの一種です。
この記事では分かりやすくするため、次のように区別します。
- BTOパソコン:BTO専門メーカーやパソコンショップが販売するカスタマイズ可能なPC
- メーカー製PC:NEC、富士通などが家電量販店を中心に販売する一般消費者向けPC
大手メーカーの直販サイトにもカスタマイズ可能なモデルはあるため、両者の境界は完全に分かれているわけではありません。
BTOパソコンが安い理由

必要なパーツだけを搭載できる
BTOパソコンが安い最大の理由は、購入者に必要なパーツだけを搭載できることです。
一般的なメーカー製PCには、幅広い利用者を想定して、次のような機能が最初から搭載されていることがあります。
- Microsoft Office
- DVD・Blu-rayドライブ
- 年賀状作成ソフト
- 写真・動画管理ソフト
- メーカー独自アプリ
- テレビ視聴機能
- 無線LANやBluetooth
- マウスやキーボード
- パソコン操作を支援するアプリ
メーカー製PCでは、実際に使わない機能やソフトの費用まで本体価格に含まれている場合があります。例えばNECや富士通のパソコンには、モデルによってOfficeやメーカー独自アプリなどが付属しています。
一方、BTOパソコンでは、Officeや光学ドライブなどを必要に応じて追加する方式が一般的です。
ゲームだけをする人ならOfficeを外し、動画編集をする人ならテレビ機能や光学ドライブを外すなど、不要な機能を省いて価格を抑えられます。
性能に直接関係するパーツへ予算を集中している
BTOパソコンは、CPUやグラフィックボード、メモリなど、処理性能に直接関係するパーツへ予算を集中させています。
例えば20万円のパソコンでも、メーカー製PCでは次のような部分にコストがかかる場合があります。
- 薄型でデザイン性の高い筐体
- タッチパネル
- 高性能なスピーカー
- メーカー独自機能
- 付属ソフト
- 店頭販売や宣伝
- 初心者向けサポート
BTOパソコンでは、これらの機能を抑え、その分をCPUやグラフィックボードに回すことができます。
そのため、同じ価格帯で比較した場合、BTOパソコンのほうがゲームや動画編集などの処理性能が高くなりやすいのです。
汎用性の高いPCパーツを使用している
デスクトップ型のBTOパソコンでは、市販品または市販品に近い規格のパーツが使われることが多くあります。
代表的なパーツは次のとおりです。
- CPU
- メモリ
- SSD
- グラフィックボード
- 電源ユニット
- CPUクーラー
- PCケース
- マザーボード
メーカー独自の特殊な部品や専用設計を減らし、複数のモデルで共通するパーツを使用すれば、設計や製造にかかるコストを抑えられます。
また、汎用規格のパーツを使ったパソコンは、購入後にメモリやSSD、グラフィックボードなどを交換しやすいのもメリットです。
ただし、すべてのBTOパソコンに完全な市販パーツが使われているわけではありません。メーカーやモデルによっては、OEMパーツや独自仕様のケース、マザーボード、電源ユニットなどが使用されることもあります。
注文を受けてから生産する
BTOパソコンは、基本的に注文を受けてから組み立てます。
あらかじめ大量の完成品を作って店舗に並べる方式ではないため、売れ残った完成品を長期間保管するリスクを抑えられます。
完成品を大量に在庫すると、CPUやグラフィックボードの世代交代によって商品価値が下がり、値下げして処分しなければならないことがあります。
BTO方式では、完成品ではなくパーツ単位で在庫を管理できます。同じメモリやSSDを複数のモデルに使用できるため、在庫を効率的に運用しやすくなります。
ただし、受注後に組み立てるため、注文した当日に持ち帰るのは難しく、出荷まで数日以上かかる場合があります。
インターネット直販が中心
BTOパソコンは、メーカーの公式サイトやパソコンショップの通販サイトで販売されることが多くあります。
家電量販店を中心に販売する場合は、次のような費用も必要です。
- 店舗の運営費
- 展示スペース
- 販売スタッフ
- 在庫の保管費
- 店頭用の展示機
- 流通や卸売にかかる費用
インターネット直販を中心にすれば、こうした販売コストを抑えられます。
BTOメーカーにも実店舗を持つ会社はありますが、公式通販サイトから直接注文する販売方法が中心です。そのため、パソコンの性能に関係しないコストを削減しやすくなっています。
モデルや構成を共通化している
BTOパソコンは、基本となるモデルを用意し、CPUやメモリ、SSDなどを変更する方式です。
すべての注文に対して一からパソコンを設計するわけではありません。
例えば、同じPCケースやマザーボードを使いながら、次の部分だけを変更します。
- CPUをCore Ultra 5からCore Ultra 7へ変更
- メモリを16GBから32GBへ変更
- SSDを500GBから1TBへ変更
- グラフィックボードを上位モデルへ変更
基本設計を共通化することで、設計、検証、組み立てなどにかかるコストを抑えられます。
大量生産と完全なオーダーメイドの中間に位置する、効率のよい販売方式といえるでしょう。
広告やブランドにかかる費用が比較的少ない
大手メーカーは、テレビCMや新聞広告、家電量販店での販促など、幅広い層を対象とした宣伝を行っています。
また、全国規模のサポート体制や出張サービス、初心者向けの操作相談などにも費用がかかります。NECでは電話相談、出張サービス、保証延長など、幅広いサポートサービスを提供しています。
BTOメーカーも広告やサポートに費用をかけていますが、主にパソコンの購入を検討している人へ対象を絞りやすいため、大手メーカーとはコストのかけ方が異なります。
その違いが販売価格にも反映されます。
BTOパソコンとメーカー製PCの違い

主な違いをまとめると、次のようになります。
| 比較項目 | BTOパソコン | メーカー製PC |
|---|---|---|
| 価格性能比 | 高い傾向 | 付加機能を含むため低くなる場合がある |
| カスタマイズ | CPUやメモリなどを変更しやすい | 店頭モデルは基本的に変更できない |
| 付属ソフト | 必要最低限が中心 | 独自アプリやOffice付きモデルが多い |
| デザイン | シンプルなモデルが多い | 薄型・一体型など独自デザインが豊富 |
| 拡張性 | デスクトップは比較的高い | 独自設計で増設しにくい場合がある |
| サポート | ハードウェア中心になりやすい | 操作相談や出張サービスが充実 |
| 納期 | 注文後に組み立てるため数日以上 | 店頭在庫なら当日購入できる |
| 初期設定 | 自分で設定する範囲が比較的多い | 初心者向け機能が充実している |
| 実店舗 | メーカーによって異なる | 家電量販店で確認しやすい |
なお、サポートが手薄かどうかはメーカーによって大きく異なります。
例えばマウスコンピューターは基本3年間保証を案内しており、ツクモにも専用サポート窓口や延長保証があります。BTOパソコンだから必ず保証が短い、サポートがないとは限りません。
BTOパソコンが安いのは品質が低いからではない
BTOパソコンが安い理由は主に不要な機能や販売コストを減らしているためです。
そのため、「BTOパソコンは安いからすぐ壊れる」とは一概にいえません。
CPUやGPU、メモリ、SSDなどは、メーカー製PCにもBTOパソコンにも、Intel、AMD、NVIDIAなどの製品が使われています。同じCPUやGPUであれば、基本的な処理性能が価格によって大きく変わるわけではありません。
ただし、パソコン全体の品質は次の部分にも左右されます。
- CPUクーラーの冷却性能
- PCケースの通気性
- 電源ユニットの品質と容量
- マザーボードの仕様
- SSDのメーカーや性能
- 組み立てや配線の品質
- 出荷前検査
- 保証期間
- 修理対応
特に価格の安さを重視したモデルでは、CPUやグラフィックボード以外のパーツが最低限の構成になっていることがあります。
安いことだけで危険と判断する必要はありませんが、購入前に電源容量、冷却性能、保証内容なども確認しましょう。
BTOパソコンがメーカー製PCより安いとは限らない

BTOパソコンは価格性能比に優れていますが、すべての用途でメーカー製PCより安いわけではありません。
低価格なノートパソコン
文書作成やインターネット閲覧に使用する低価格ノートPCは、大手メーカーや海外メーカーの量産モデルが安いことがあります。
ノートパソコンはデスクトップと違い、ケース、ディスプレイ、キーボード、バッテリーなどが一体化されています。そのため、パーツを自由に選べるBTO方式のメリットが小さくなります。
大量生産される完成品ノートPCのほうが安くなる場合もあります。
セールや型落ちモデル
メーカー製PCは、決算セールやモデルチェンジによって大幅に値下げされることがあります。
新しいモデルが発売された直後の旧モデルや、家電量販店の展示品などは、同等性能のBTOパソコンより安くなる可能性があります。
価格を比較するときは、通常価格だけでなく、セール価格やポイント還元も含めて判断しましょう。
Officeが必要な場合
BTOパソコンでは、Microsoft Officeが追加オプションになっていることが一般的です。
Officeを追加すると数万円程度価格が上がるため、Office付きのメーカー製PCと比較した場合、価格差が小さくなることがあります。
WordやExcelを必ず使用する人は、Officeを含めた合計金額で比較することが重要です。
BTOパソコンのメリット

BTOパソコンには、価格以外にも次のようなメリットがあります。
用途に合った構成を選べる
ゲーム、動画編集、写真編集、CAD、3DCGなど、用途に合わせてパーツを選択できます。
例えばゲーム用であればグラフィックボードを重視し、動画編集用であればCPUやメモリ、SSDの容量を増やすなど、予算を効率よく配分できます。
購入後に増設しやすい
デスクトップ型のBTOパソコンは、メモリやSSDを増設しやすいモデルが多くあります。
将来的に性能が不足したときも、パソコン全体を買い替えずに、一部のパーツだけを交換できる可能性があります。
高性能な構成を選びやすい
メーカー製PCでは選択肢が少ない、高性能CPUやグラフィックボードを搭載した構成も選べます。
ゲーミングPCやクリエイター向けPCでは、BTOパソコンの選択肢が特に豊富です。
BTOパソコンのデメリット
一方で、BTOパソコンには注意点もあります。
パーツの知識が必要になる
CPUやグラフィックボード、メモリなどの選択肢が多いため、初心者はどれを選べばよいか迷いやすくなります。
高性能なパーツを選びすぎて予算を超えたり、反対に必要な性能を満たさない構成を選んだりする可能性があります。
注文してから届くまで時間がかかる
受注後に組み立てるため、完成品のようにすぐ受け取れない場合があります。
通常は数営業日程度でも、セール期間や新製品の発売直後、パーツ不足の時期には納期が長くなることがあります。
初心者向けソフトが少ない
メーカー独自の操作案内やデータ移行ソフトなどが付属しないことがあります。
Windowsの初期設定やソフトのインストールを自分で行うのが不安な人は、初期設定サービスや訪問サポートの有無を確認したほうがよいでしょう。
実物を確認しにくい
通販限定モデルでは、購入前に本体の大きさや動作音、質感などを確認できません。
デスクトップPCは想像以上に大きい場合があるため、商品ページの寸法を確認し、設置スペースを測っておく必要があります。
BTOパソコンがおすすめな人
BTOパソコンは、次のような人におすすめです。
- 同じ予算でできるだけ性能の高いPCが欲しい
- PCゲームを快適に遊びたい
- 動画編集や3DCG、CADをしたい
- メモリやSSDの容量を自分で選びたい
- 不要なソフトや機能にお金を払いたくない
- 将来的にパーツを増設したい
- パソコンを通販で購入しても問題ない
特に高性能なデスクトップPCを求める人は、BTOパソコンを選ぶメリットが大きくなります。
メーカー製PCがおすすめな人
メーカー製PCは、次のような人に向いています。
- パソコンの知識に自信がない
- 家電量販店で実物を見て購入したい
- WordやExcelを最初から使いたい
- 操作方法について電話で相談したい
- 出張設定や初心者向けサポートを利用したい
- テレビ機能や一体型PCが欲しい
- デザインや軽さを重視している
- 購入した当日から使用したい
メーカー製PCは、単純な処理性能だけでなく、購入後の分かりやすさやサポートも含めた商品です。
スペックに詳しくない人にとっては、価格差に見合う価値がある場合もあります。
BTOパソコンを選ぶときの確認ポイント
BTOパソコンは価格だけで選ばず、次の項目を確認しましょう。
CPUとグラフィックボード
ゲームや動画編集では、CPUとグラフィックボードが性能を大きく左右します。
ただし、用途によっては高性能なグラフィックボードが必要ないこともあります。使用するゲームやソフトの推奨スペックを確認して選びましょう。
メモリ容量
一般用途では16GB、ゲームや写真編集では32GBを選ぶと余裕があります。
4K動画編集、3DCG、大規模なデータ処理などでは、64GB以上が必要になる場合もあります。
SSD容量
Windowsやソフトだけでなく、ゲームや動画素材を保存する場合は、最低でも1TB程度あると使いやすくなります。
500GBでは、複数の大容量ゲームをインストールすると不足しやすいため注意が必要です。
電源ユニット
グラフィックボードを搭載する場合は、電源容量を確認しましょう。
将来的にグラフィックボードを交換する予定があるなら、標準構成より少し余裕のある電源を選ぶ方法もあります。
可能であれば、容量だけでなく80PLUS認証や製品名、メーカーも確認しましょう。
冷却性能
高性能なCPUやGPUは発熱が大きくなります。
小型ケースや低価格なCPUクーラーでは、温度上昇によってファンの音が大きくなることがあります。
高性能な構成ほど、PCケースの通気性やCPUクーラーを重視しましょう。
保証とサポート
次の内容を確認しておくと安心です。
- 標準保証の期間
- 延長保証の料金
- 故障時の送料
- 電話サポートの受付時間
- 修理にかかる期間
- 落下や水濡れが保証されるか
- 自分でパーツを増設した場合の保証
価格が数千円安くても、保証やサポートに大きな差がある場合は、総合的に判断する必要があります。
よくある質問
BTOパソコンは初心者でも使えますか
BTOパソコンも、購入後の基本的な使い方は一般的なWindowsパソコンと同じです。
完成品として届くため、自作PCのように自分で組み立てる必要はありません。Windowsを搭載したモデルであれば、初期設定後すぐに使用できます。
難しいのは使用方法ではなく、購入時のパーツ選びです。
用途別の推奨モデルを選び、メモリやSSDなど必要な部分だけを変更すれば、初心者でも購入できます。
BTOパソコンは壊れやすいですか
BTOパソコンだから壊れやすいとは限りません。
故障率は使用されるパーツ、冷却設計、組み立て、使用環境などによって変わります。
購入時には価格だけでなく、メーカーの保証期間、修理対応、利用者の評判なども確認しましょう。
BTOパソコンにもWindowsは入っていますか
多くのBTOパソコンにはWindows 11が搭載されています。
ただし、一部のショップではWindowsなしの構成を選べる場合があります。価格が安く表示されていても、OSが含まれていない可能性があるため、注文前に確認してください。
なぜゲーミングPCはBTOが多いのですか
PCゲームでは、遊ぶゲームや解像度によって必要なグラフィックボードが異なるためです。
BTOならCPU、GPU、メモリ、SSDなどを予算に合わせて変更できます。高性能パーツを搭載しやすく、将来の増設にも対応しやすいため、ゲーミングPCと相性のよい販売方式です。
まとめ
BTOパソコンが安いのは、品質が低いからではありません。
主に次のような理由によって価格が抑えられています。
- 必要なパーツだけを搭載できる
- 不要な付属ソフトや機能を省ける
- 性能に直接関係するパーツへ予算を集中できる
- 注文を受けてから生産する
- インターネット直販が中心
- 複数モデルでパーツや設計を共通化できる
- 店頭販売や幅広い初心者サポートにかかる費用が比較的少ない
同じ予算で高い処理性能を求めるなら、BTOパソコンが有力な選択肢です。
一方、Officeや独自アプリ、実店舗での相談、初心者向けサポートを重視する場合は、メーカー製PCにもメリットがあります。
本体価格だけを比較するのではなく、付属ソフト、保証、サポート、納期、拡張性まで含めて、自分の用途に合ったパソコンを選びましょう。
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