古いCPUなのになぜRyzen 7 5700X搭載PCがまだ売られている?

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最終更新日:2026年8月21日

Ryzen 7 5700Xは、AMDが2022年4月に発売したデスクトップ向けCPUです。すでにRyzen 7000・9000シリーズが登場しているため、2026年現在の基準では新しいCPUとはいえません。

それでも、BTOショップを見るとRyzen 7 5700XとGeForce RTX 5060・RTX 5060 Ti・RTX 5070などを組み合わせたパソコンが販売されています。

Ryzen 7 5700X搭載PCが残っている理由は、単なる在庫処分ではなく、8コア16スレッドの性能を維持しながら、AM4マザーボードとDDR4メモリでPC全体の価格を抑えやすいからです。

ただし、「現在も売られている=現在でも必ずお買い得」という意味ではありません。価格差が小さい場合は、AM5対応のRyzen 5 7500F・Ryzen 7 7700・Ryzen 7 9700X搭載PCを選んだほうがよい場合があります。

Ryzen 7 5700Xがまだ売られている理由

Ryzen 7 5700Xは最新CPUではありませんが、低価格帯から中価格帯のBTOパソコンを構成するうえで、性能・消費電力・部品価格のバランスが取りやすいCPUです。

売られている理由BTOメーカー側の利点購入者側の利点
8コア16スレッド「Ryzen 7搭載」として製品を構成できるゲーム以外の複数作業にも対応しやすい
AM4プラットフォームB550マザーボードなどを使用できるPC全体の価格が安くなりやすい
DDR4メモリ対応DDR4を使った低価格構成を作れる32GB・64GB構成の費用を抑えやすい
TDP 65W高価な冷却装置を必須にしなくてよい発熱とCPUクーラー代を抑えやすい
PCIe 4.0対応B550とGen4 SSDを組み合わせられる一般的なGPU・SSDには十分な帯域がある
長期間販売された構成部品の組み合わせや動作確認を流用しやすい構成が成熟しており、情報を探しやすい

なお、各BTOメーカーの仕入れ価格や在庫量は公開されていません。そのため、AM4・DDR4構成が原価を下げているという点は、販売されている構成から判断した推測を含みます。

Ryzen 7 5700Xはどれくらい古いCPUなのか

Ryzen 7 5700Xは2022年4月発売のZen 3世代であり、2026年時点では約4年前のCPUですが、8コア16スレッドという基本構成は現在でも一般用途に通用します。

項目Ryzen 7 5700XRyzen 7 7700Ryzen 7 9700X
発売日2022年4月4日2023年1月14日2024年8月8日
アーキテクチャZen 3Zen 4Zen 5
コア/スレッド8コア/16スレッド8コア/16スレッド8コア/16スレッド
最大ブーストクロック最大4.6GHz最大5.3GHz最大5.5GHz
標準TDP65W65W65W
CPUソケットAM4AM5AM5
対応メモリDDR4DDR5DDR5
PCI ExpressPCIe 4.0PCIe 5.0PCIe 5.0
内蔵GPUなしありあり

コア数が同じでも、CPU内部の設計や1コアあたりの処理性能は新しい世代ほど改善されています。Ryzen 7 5700XとRyzen 7 9700Xを、同じ「Ryzen 7」「8コア」という理由だけで同等と考えてはいけません。

CPU型番の読み方や比較方法は、CPUの性能の見方と選び方でも詳しく解説しています。

8コア16スレッドが現在でも使いやすい

Ryzen 7 5700Xは、ゲームだけでなく、画像編集、軽い動画編集、配信、DTM、複数ソフトの同時使用まで対応しやすいコア数を備えています。

一般的なパソコン作業では、常にCPUの最大性能を使うわけではありません。Webブラウザー、チャットソフト、音楽再生、ゲームなどを同時に起動したときに、8コア16スレッドの余裕が役立ちます。

一方で、すべての処理がコア数に比例して速くなるわけではありません。ゲームや画像編集では、コア数よりも1コアあたりの性能が重要になる場面もあります。

コア数によって何が速くなるのかは、CPUのコア数が多いと何が速くなる?も参考にしてください。

ゲームではCPUよりGPUが先に重要になる場合が多い

フルHDやWQHDで60~144fps前後を目標にする一般的なゲームでは、CPUを新しくするより、GPUを1段階上げたほうが体感差につながる場合があります。

例えば、予算が同じ場合に次の2台があったとします。

構成CPUGPU向いている条件
旧CPU・上位GPURyzen 7 5700XRTX 5060 Ti画質や解像度を優先するゲーム
新CPU・下位GPURyzen 5 7500F・7600クラスRTX 5060CPU負荷の高いゲームや将来のCPU交換

高画質設定や高解像度ではGPU側の負荷が増えるため、Ryzen 7 5700XでもGPU性能を活用しやすくなります。これが、現行GPUと古いRyzen 7 5700Xを組み合わせたBTOパソコンが成立する理由の一つです。

ただし、フルHDで200fps・240fps以上を狙う場合、シミュレーションゲーム、大人数のオンラインゲーム、CPU依存の強いゲームでは、新しいCPUのほうが最低フレームレートを維持しやすくなります。

AM4・DDR4・B550でPC全体を安くできる

Ryzen 7 5700X搭載PCの本当の強みはCPU単体ではなく、マザーボードとメモリを含む「土台全体」を低価格で構成しやすいことです。

Ryzen 7 5700XはAM4ソケットとDDR4メモリを使用します。新しいAM5環境では、AM5対応マザーボードとDDR5メモリが必要です。

構成部分Ryzen 7 5700X搭載PC新しいAM5搭載PC
CPUソケットAM4AM5
主なマザーボードB550・A520B650・B850・A620など
メモリDDR4DDR5
ストレージ規格主にPCIe 4.0PCIe 4.0・5.0
将来のCPU交換選択肢が限られる今後のCPUへ交換しやすい

DDR4やPCIe 4.0だから、ゲームが動かないわけではありません。RTX 5060・RTX 5060 Tiクラスや一般的なGen4 SSDを使用するだけなら、AM4環境でも必要な機能を確保できます。

一方でAMDは、AM5プラットフォームを2029年までサポートする方針を発表しています。数年後にCPUだけを交換したい場合は、AM5搭載PCのほうが有利です。

TDP 65Wで冷却構成を作りやすい

Ryzen 7 5700Xは標準TDPが65Wなので、最上位CPUのような大型水冷クーラーを必須とせず、低価格の空冷構成を作りやすいCPUです。

CPUの発熱が大きいと、高性能なCPUクーラー、冷却性の高いケース、複数のケースファンなどが必要になります。CPU本体以外の費用も増えるため、BTOパソコン全体の価格が高くなります。

Ryzen 7 5700Xなら、適切な空冷CPUクーラーとケースファンで運用しやすく、ゲーム中にCPUが常時最大負荷になるケースも多くありません。

ただし、「TDP 65W=実際の消費電力が常に65W」という意味ではありません。CPUクーラーの型番、ケースの吸排気、室温も確認してください。

「Ryzen 7搭載」を低価格で実現しやすい

BTOメーカーにとってRyzen 7 5700Xは、「8コアのRyzen 7搭載PC」を価格表の下位から中位へ配置しやすいCPUです。

新しいRyzen 5は1コアあたりの性能や将来性で有利でも、CPU名だけを見る購入者には「Ryzen 7のほうが上位」と伝わりやすい傾向があります。

そのため、Ryzen 7 5700Xは次のような製品を作るときに使いやすいと考えられます。

  • 20万円前後から購入できるゲーミングPC
  • RTX 5060・RTX 5060 Tiを搭載した価格重視モデル
  • 32GBメモリを搭載したクリエイター向けモデル
  • CPUのコア数とGPU性能を両立させたいモデル
  • セール価格を分かりやすく見せたいモデル

これは販売されているラインアップからの分析であり、各メーカーが公式に説明している採用理由ではありません。

2026年現在も実際に搭載PCが販売されている

2026年8月時点では、マウスコンピューターやFRONTIERなどで、Ryzen 7 5700Xと現行GPUを組み合わせたBTOパソコンを確認できます。

同一ショップの近い構成を確認すると、次のような価格差が見られます。

CPUGPUメモリSSD確認時価格
Ryzen 7 5700XRTX 506016GB(8GB×2)500GB234,800円~
Ryzen 5 7500FRTX 506016GB(16GB×1)500GB239,800円~
Ryzen 7 7700RTX 506016GB(16GB×1)500GB264,800円~

※マウスコンピューターのNEXTGEARシリーズを2026年8月21日に確認した価格です。セール、ケース色、CPUクーラー、メモリ枚数、在庫によって価格は変わります。

この例ではRyzen 7 5700XとRyzen 5 7500Fの価格差は5,000円しかありません。Ryzen 7 5700Xは8コア、Ryzen 5 7500Fは新しいAM5世代という違いがあるため、CPU名だけでは決められません。

旧世代CPUを選んで浮く金額が小さいならAM5を優先し、差額でGPUやメモリを明確に強化できるならRyzen 7 5700Xを検討するのが合理的です。

Ryzen 7 5700Xの性能で十分な用途

一般的なゲーム、画像編集、DTM、軽い動画編集であれば、Ryzen 7 5700Xは2026年現在でも実用的な性能を備えています。

用途評価注意点
Web閲覧・事務作業十分GPU搭載が必要で、事務用途だけには過剰
フルHDゲーム対応しやすい240fps以上を狙うなら新しいCPUを検討
WQHDゲーム対応しやすいGPU性能とVRAM容量を優先する
Photoshop・画像編集十分メモリ32GB、SSD 1TB以上を推奨
DTM対応しやすい大規模音源ではメモリとSSD容量も重要
軽い動画編集対応可能素材形式やGPU支援への対応を確認
ゲーム配信対応可能GPUエンコードを利用するとCPU負荷を抑えやすい
CPUレンダリング使用可能新しいCPUや12コア以上のCPUが有利
ローカル生成AI補助的には使用可能CPUよりGPUとVRAM容量を優先する

Ryzen 7 5700X搭載PCの弱点

Ryzen 7 5700Xの弱点は、現在の処理性能よりも、AM4・DDR4環境を新しく購入することで将来の交換先が限られることです。

CPUのアップグレード先が限られる

Ryzen 7 5700Xから同じAM4の通常版CPUへ交換しても、費用に対して大幅な性能向上を得にくい場合があります。

ゲーム性能を上げるためにX3Dモデルへ交換する選択肢はありますが、CPU交換を前提に新品PCを購入するなら、最初からAM5を選ぶほうが分かりやすいでしょう。

X3Dモデルとの違いは、X3D付きRyzenと通常版Ryzenの違いで解説しています。

内蔵GPUがない

Ryzen 7 5700Xには内蔵GPUがないため、グラフィックボードを取り外すと基本的に画面を表示できません。

グラフィックボードが故障したときの切り分けや、修理中の一時利用では不便です。Ryzen 7 7700やRyzen 7 9700Xには簡易的な内蔵GPUがあるため、映像出力の予備として利用できます。

DDR5とPCIe 5.0には対応しない

DDR4とPCIe 4.0は現在でも使用できますが、将来DDR5メモリやPCIe 5.0対応SSDへ移行するときは、マザーボードごとの交換が必要です。

ただし、一般的なゲームではPCIe 4.0 SSDとPCIe 5.0 SSDの最大転送速度差が、そのままフレームレート差になるわけではありません。使わない機能のためだけにAM5を選ぶ必要もありません。

高フレームレートではCPU性能差が出やすい

フルHD・低画質でGPU負荷を下げ、200fps以上を狙う使い方では、Ryzen 7 5700Xが先にボトルネックになる可能性があります。

競技性の高いFPS、CPU負荷の大きいシミュレーションゲーム、最低フレームレートを重視する場合は、Ryzen 7 9700XやX3Dモデルなども比較してください。

Ryzen 7 5700X搭載PCを選んでもよい人

購入後3~4年程度を目安に使い、CPU交換よりも現在のGPU性能と購入価格を優先する人には、Ryzen 7 5700X搭載PCが候補になります。

  • 予算内でRTX 5060 Tiなど上位GPUを選びたい人
  • フルHD・WQHDで60~144fps前後を目標にする人
  • ゲームと画像編集・DTM・軽い動画編集を兼用する人
  • メモリ32GBやSSD 1TB以上を安く確保したい人
  • 将来CPUだけを交換する予定がない人
  • AM5搭載PCより2万~3万円以上安く購入できる人

Ryzen 7 5700X搭載PCを避けたほうがよい人

5年以上使う予定がある人や、数年後にCPUを交換したい人は、価格が多少高くてもAM5搭載PCを優先したほうがよいでしょう。

  • フルHDで200fps・240fps以上を安定させたい人
  • CPU負荷の高いゲームを中心に遊ぶ人
  • 長時間の動画書き出しやCPUレンダリングを行う人
  • 数年後に新しいRyzenへ交換したい人
  • DDR5メモリやPCIe 5.0 SSDを使用したい人
  • グラフィックボード故障時にも映像を出力したい人
  • Ryzen 5 7500F・7600搭載PCとの価格差が小さい人

使用予定年数から構成を決めたい場合は、3年・5年・7年使うBTOパソコンのおすすめ構成も参考にしてください。

Ryzen 7 5700X搭載PCを比較するチェックリスト

CPU名だけを見ず、AM5搭載PCとGPU・メモリ・SSD・保証をそろえた状態で実質価格を比較してください。

確認項目確認する内容理由
GPU型番とVRAM容量をそろえるPC価格とゲーム性能への影響が大きい
メモリ容量と枚数を確認する16GB×1と8GB×2では条件が異なる
SSD500GB・1TB・2TBをそろえる容量差をCPUの価格差へ含めないため
CPUクーラー空冷・水冷・型番を確認する冷却と騒音、価格が変わる
マザーボード型番、M.2、メモリスロットを確認する増設性がモデルごとに異なる
電源容量、認証、型番、保証を確認する将来のGPU交換や安定性に関係する
保証期間、送料、修理方式を確認する1年保証と3年保証では実質価値が異なる
AM5との差額同条件へ変更した後の差額を計算する旧世代を選ぶメリットが残るか判断できる

比較するときは、次のように購入後に必要な費用まで合算します。

  • 実質価格=本体価格+メモリ変更費+SSD変更費+送料+延長保証+必要な追加パーツ

新品一式の費用を比較する場合は、BTOパソコンと自作PCは2026年現在どちらが安い?も参考になります。

価格差の行き先から判断する

Ryzen 7 5700Xを選ぶ価値があるかは、節約した金額でPCのどこを強化できるかによって決まります。

AM5搭載PCとの実質価格差判断の目安
1万円以内長期利用や将来性を考えてAM5を優先しやすい
1万~3万円使用年数、コア数、メモリ構成から判断する
3万円以上5700Xを選び、GPU・メモリ・SSDへ予算を回す価値が出やすい

この金額は性能を保証する境界ではなく、当サイトが購入候補を整理するための目安です。

例えば3万円の差額でRTX 5060からRTX 5060 Tiへ変更できるなら、ゲーム用途ではRyzen 7 5700X構成が有利になる可能性があります。反対に、旧世代を選んでもSSD容量やGPUが変わらないなら、AM5を選んだほうが将来の選択肢を残せます。

Ryzen 7 5700X搭載PCに関するよくある質問

Ryzen 7 5700Xはすでに時代遅れですか?

最新CPUではありませんが、Windows 11、一般的なゲーム、画像編集などに使用できないほど古いCPUではありません。

「動くかどうか」ではなく、AM5搭載PCとの価格差に見合うかを判断する必要があります。

RTX 5070と組み合わせても問題ありませんか?

WQHD・4Kの高画質ゲームでは使用できますが、フルHDで高フレームレートを狙う場合はCPUが性能を制限する可能性があります。

RTX 5070搭載PCでは、Ryzen 7 7700・9700X・X3Dモデルとの価格差も確認してください。

Ryzen 7 5700Xと5700X3Dは同じですか?

Ryzen 7 5700XとRyzen 7 5700X3Dは別のCPUで、5700X3Dは大容量の3D V-Cacheによってゲーム性能を高めたモデルです。

型番末尾の「3D」を見落とさないようにしてください。通常の5700Xが、X3Dモデルと同じゲーム性能になるわけではありません。

Ryzen 7 5700X搭載PCは何年使えますか?

一般的なゲームや制作なら購入後3~4年程度は検討できますが、必要な年数は目標フレームレートや使用ソフトによって変わります。

故障せずに動作する年数と、必要な性能を維持できる年数は別です。5年以上使う予定なら、CPUだけでなくメモリ32GB、SSD容量、電源、ケースの拡張性も確認してください。

将来の交換を考える場合は、パソコンをパーツ交換・増設前提で買うのはあり?も参考になります。

まとめ

Ryzen 7 5700X搭載PCが現在も売られているのは、8コア16スレッドの実用性能を残しながら、AM4・DDR4・B550でPC全体を安く構成できるからです。

Ryzen 7 5700Xは、古いという理由だけで避ける必要はありません。GPUへ予算を回したい人、3~4年程度の利用を考えている人、ゲームと軽い制作作業を兼用する人には候補になります。

ただし、AM5搭載PCとの実質価格差が1万円程度しかない場合や、5年以上使う場合、将来CPUを交換する場合は、Ryzen 5 7500F・7600、Ryzen 7 7700・9700Xなどを優先したほうがよいでしょう。

「古いCPUでも十分か」ではなく、「旧世代を選んで浮いた予算を、GPU・メモリ・SSDのどこへ使えるか」で判断することが重要です。





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